犬猫会「パラナ・ポラー」稽古場レポート05
本日は2日間空いてからの稽古である為、先ずは一場面ずつのポイントをおさらいした後に、通し稽古を行った
今日の通し稽古は探り探りの少し冗長的なものとなった
これまで丁寧に役同士の関係性は作り上げてきたのだから、そこを信じて、そろそろ思い切って流れに身を投じてある種のテンポ感を出しても良いのでは、と役者と話した
何か足りないのではないかと間を作りがち(これは私自身も含め)になるが、それは結果として自家発電になってしまう為、相手からのエネルギーで反応する事が難しくなる
いかに相手からもらったものをまた相手に返していけるか
その際に自分で盛り込まないようにする事も一つ注意したい点である
演劇は反復作業ではあるが、その一回一回が真実でないと、お客様にその世界を信じてもらう事が出来ない
全て作り物の虚構の世界でも、そこに役者がしっかりと生きてくれていれば、真実となるのである
どうしたってこれまでやってきた中での一番しっくりきたものであったり、演出上求められているものに向かおうとするが、何よりも大切なのはその時の自分の心の動きを偽らないことであると思う
よく感情を作り出すことは出来ないというがまさにその通りであり、無理矢理に持っていったとしてもそこにはどうしたってぎこちなさが出てしまう
どうにかしようともがくことは悪い事ではないが、心が動かないときは焦らず、その状況を受け入れて、事実のみを伝えていく、また先程も書いたように自分一人にならずに、相手に開くことが大切なのではないだろうか
とはいえ、現時点でまだ詰められていない箇所もあり、明日は部分稽古を中心として、役者が不安にならずにその瞬間瞬間を信じれるように強度を高めていきたい
また本日は照明の若林恒美さんも来てくださり、大枠の方向性を話すことが出来た
照明の力も大いに重要となる今作、いったいどんな照明になるのか楽しみである
また明日も頑張りたい
(水野玲子)
作:マルハ・ブスタマンテ
翻訳:仮屋浩子
出演:宝意紗友莉(文学座)・山下智代(犬猫会)
演出:水野玲子(犬猫会/文学座)
音楽:後藤浩明
公演期間:2024.8.22-25
会場:STUDIO ZAP!
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