劇団肋骨蜜柑同好会meetsCLASSICS No.3『走れメロス ~TOKYO20XX~』サブテレニアン15周年記念月間 嶋谷 佳恵インタビュー
劇団肋骨蜜柑同好会meetsCLASSICS No.3『走れメロス ~TOKYO20XX~』6/8-13
東京を中心に演劇活動を行う。
2010年の旗揚げから現在に至るまで、手探りで、暗中を模索するように活動中。
主宰フジタの標榜する「演劇とは方法論ではなく存在論である」という言葉のもとに 、言語による世界の腑分けを試み、「生きづらさ」を抱えた人たちの救いとなることを考えている。
頭のねじがどこか緩んでいるようなズレた登場人物と、捩れたメタフィクション的な構造、既製品を多用したシンプルで分裂的な舞台構成が特徴。
ストーリーやメッセージを極端に廃し、あるいは換骨奪胎し、あるいは解体し、その先の地平にたどり着くべく、過剰に論理的に「なぜ演劇なのか」を問い続ける。問い続けたい。問い続けられますように。
コミュニケーションはいつも、祈りの形に。(劇団HPより)
サブテレニアンでは、15周年記念月間として、劇団肋骨蜜柑同好会を迎える。感染対策のため、客席数を劇場定数の25%程度に削減しての公演だ。配信での公演もあるので、ぜひご覧いただきたい。
劇団肋骨蜜柑同好会は、第一回公演をサブテレニアンで行っている。(2010年『レインコートの悪魔』)その後活躍の幅を広げ、王子小劇場、シアターミラクルなど、東京都内の小劇場で数多くの公演を行ってきた。今回は、主宰のフジタタイセイさん、出演する劇団員の嶋谷佳恵さん、藤本悠希さんにお話を伺った。
嶋谷 佳恵
2019年入団。カラリとした笑い声と地に足ついた立姿で確かな存在感を醸し出す女優。しなやかなバネの強さで、鬱屈した芝居から漫画的キャラクターまで幅広く乗りこなす。俳優業だけでなく、劇団全体の総務も兼任。好物は豆と酒。(劇団HPより)
---劇団のyoutubeチャンネルで公開された『あなうま』を拝見しました。とてもパワフルな役者さんだと思いました。今日は稽古を見学させていただいて、声が魅力的で、高い声から低い声まで綺麗で感心しました。
ご覧いただきありがとうございます。『あなうま』は guizillen の佐藤さんという方が企画した『モノローグ演劇祭』に2年前に参加した時の作品です。
この作品で王子小劇場主宰の企画に再度参加する予定だったのですが、イベントが中止となってしまったため、動画を撮って配信しました。
---嶋谷さんがモノローグ演劇祭に出ようと思い、フジタさんに脚本を依頼したとのことですね。その理由を教えてください。
当時は劇団員ではなかったのですが、肋骨蜜柑の作品がすごく好きで、毎回お客さんとして観に行っていたんです。ファンの一人でした。
フジタさんの作品には、登場人物のモノローグが毎回出てくるのですが、それがすごく好きで、もし一人芝居をやるなら「フジタさんに書いてもらうしかない」と思ったんです。
---その後劇団に入られたのですね。演劇活動を始める前は何をなさっていたのですか。
大学を卒業した後、ずっとアルバイトをしていたんです。北海道の実家からは「フリーターをしているなら帰ってきなさい」と言われていました。その後、就職活動をしたのですが、仕事をやろうという目標がなくて。でも、演劇は好きだったので、好きだったからやってみようと思いたちました。
---コロナ禍で困ったことはありましたか。
今は商業演劇のスタッフの仕事で収入を得ているのですが、2か月くらい活動が何も無くなってしまい、やる気がおきなくて呆然としていました。お金がないから生活もできないし。困りましたね。
その後、対策をしながら公演を行うことができるようになってきました。
---それは大変でしたね。今も観客数を減らしての公演だと運営は厳しいのではないですか。
私が関わっているところは、主に演劇のグッズ販売を行っていて、通信販売が好調です。実際の公演でもスタッフに入りますが、グッズの販売などは密を避けるために休止しています。
---肋骨蜜柑同好会でもグッズを販売されていますね。今回の公演のDVDも販売されるとか。
肋骨蜜柑では私はグッズ販売に関わっていないのですけどね。スタッフの桜義一さんが担っています。
---今回の公演もそうですが、ストリーミングやDVDで楽しめるのも良いですよね。アバラジオもyoutubeで楽しめますものね。
はい。遠方の方も見れるのも良いですよね。もちろん生で見るのとは違いますが、いろんな楽しみ方があるのは良いと思います。個人的にはコロナが治まっても、楽しみ方の選択肢はたくさんあるとよいな、と思います。
---今回の公演、そして今後の嶋谷さんの俳優としてのご活躍、楽しみにしています。お話聞かせていただきありがとうございました。(聞き手 さたけれいこ)
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