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2021年4月18日 (日)

サイマル演劇団presents ポエトリーシアター『吠える』---サブテレニアン15周年記念月間

サブテレニアン15周年記念月間
サイマル演劇団presents ポエトリーシアター『吠える』
原作/アレン・ギンズバーグ
構成・演出・美術/赤井康弘

 「僕は見た 狂気によって破壊された僕の世代の最良の精神たちを」で始まるビートの代表的な詩を原作に、他にオクタビオ・バスやホイットマンの詩とともに構成するサイマル的ポエトリーシアター。
 出演は、サイマル演劇団の公演には十年来の常連の葉月結子、一昨年のサイマル演劇団の公演、S・I・ヴィトキェヴィッチ原作『狂人と尼僧』に出演した赤松由美(コニエレニ)、竹岡直紀の三人。三人の共演はこれで二回目となり、より熟成した演技のぶつかりあいが期待される。
 今回は三人の俳優に、コロナ禍での活動や15周年をむかえたサブテレニアンについて、率直な思いをうかがった。

 

葉月結子

高校演劇を経て上京、舞台芸術学院に入学。卒業後、池田聖智子ダンススタジオ「スフェール・グノジェンヌ」に入門。発声、呼吸法、歌唱を様々なアーティストに師事。サイマル演劇団の公演等に多数出演。および映像、パフォーマンス、コント等、国内外ジャンル問わず、フリーで活動を行なっている。

---この十年来、サイマル演劇団の公演には毎回出演されていますね。昨年もコロナ禍で上演自体が危ぶまれる中、12月にE・イヨネスコ原作『Peste≠Peste/私たちが望むものは』に出演していただきました。2020年のコロナ禍は、俳優の活動への影響はいかがなものでしたか。

 予定していた公演がとんでしまいました。主催者の説明では「延期します」ということでした。でも、それがいつのことになるのか主催者も言えずに、宙に浮いている状況です。明日どうなるかわからないという感じで過ごしてきました。

---私生活の影響はいかがでしたか。

 観たい公演ががあったり、友人から観劇の誘いをいただいても観に行けていません。外出も控えています。アルバイト先も営業時間の縮小などで、シフトに入れなくなりました。手当てもありましたが、本当に微々たるものです。

---そのような中で今回も出演していただきありがとうございます。昨年、今回出演される赤松由美さんの企画した動画の配信「シェイクスピアのソネットを坪内逍遥の訳で読む」に参加されていましたね。

 あの企画には本当に救われました。自分で撮って自分で朗読したんですよ。表現する場があるということは、本当にありがたかったです。

---私も葉月さんの朗読を動画で見て、勇気づけられました。葉月さんや、私の好きな俳優たちが朗読している。確かにそこに存在している。企画した赤松さん、そして俳優の存在と意志を感じることができて、感激しました。今回の舞台も楽しみにしています。

 

赤松由美

劇団唐組出身。女優。ポーランド映画の巨匠、イエジー・スコリモフスキ監督の映画に出演すべく、個人事務所コニエレニを立ち上げて活動中。

朗読動画配信
「シェイクスピアのソネットを坪内逍遙の翻訳で読む」シリーズ

ポーランド・ワルシャワの人魚を秋川渓谷でさがす動画『ヴィスワ川の人魚』監督=赤松由美 主演=土屋真衣、山本啓介 撮影中!

今後の出演予定
2021年4月23-25、サイマル演劇団『吠える』板橋サブテレニアン。7月、新宿梁山泊『YEBI大王』ポーランド公演。8-9月八丈島で映画撮影(監督=下手大輔)。12月17日-19日劇団池の下『いわばアラスカ』劇場MOMO

---2020年の俳優としての活動について教えてください。

 劇団池の下の公演が中止になり、演目、出演者等を変え、再度企画した今年12月の作品に出演する予定です。
 また、新宿梁山泊のポーランド公演に参加する予定でしたが、海外渡航が難しいため延期になり、日本のテント公演に参加しました。また、下手大輔監督の映画にも八丈島での撮影に参加しました。

---予定していた公演が上演できない、大変な一年だったと思います。私生活の影響はいかがでしたか?

 アルバイトは休業して、休業手当をもらいながら家にいるという生活でした。これまでは稽古や観劇で飛び回っているような生活だったので、一人で家でじっとしている時間がとても貴重でした。
 ただ、家にいると「俳優としてのスキルが落ちてしまうのではないか」「これからどうなるんだろう」という焦りがありました。

---そのような中、動画の配信「シェイクスピアのソネットを坪内逍遥の翻訳で読む」をはじめたのですね。赤松さんや、私の好きな俳優さんたちの存在と意志を感じて、感激しました。

 はじめはルーマニアの劇場の企画で、シェイクスピアのソネットを世界各国の俳優が朗読して配信するものがあり、そこに参加したんです。「これはよい企画だ!」と思い、自分でも企画してみようと思いました。坪内逍遥さんが翻訳したシェイクスピアの作品があり、とても好きだったのです。自分で企画をたちあげて形にするのは大変でしたが、好評でした。まだソネットをすべて配信したわけではないので、今後も続けたい企画です。

---サイマル演劇団では『狂人と尼僧』に出演されて、稽古ではサブテレニアンを使っていただきましたが、今回、サブテレニアンでの公演に出演されるのははじめてですね。

 はい。観劇で来たことはありますが、出演するのははじめてですね。地下に入って、こういう劇場があるのは「いいな」と思います。クラクフで見た、バーの奥の扉をあけると広がっている、ポーランドの地下劇場を思い出します。唐組を出て、他の人の演出する作品に参加するのは原点に帰るような感触があり、楽しみです。

---ご自身が立ち上げたコニエレニという個人事務所で活動されているのですね。

 はい。コニエレニでは、現在『ヴィスワ川の人魚』という映像作品を製作しています。ポーランドのヴィスワ川を舞台にした作品で、自分で脚本を書きました。故郷の八丈島で撮影しようと思っていたのですが、緊急事態宣言に入ってしまったために、秋川渓谷で撮影しました。上映の際は、ぜひ見に来てください。

 

竹岡直紀

サブテレニアンにて演劇ユニット、ヘアピン倶楽部の旗揚げ公演に参加。
以降ヘアピン倶楽部やサブテレニアンで行われる板橋ビューネ、サイマル演劇団『狂人と尼僧』や唐組の公演などに参加。
今年新たな座組旗揚げに参加予定。団体名未定、12月公演予定。

---2020年の俳優としての活動について教えてください。

 神奈川県の企画「マグカルシアター2020」にヘアピン倶楽部として参加することになっていましたが、「マグカルシアター2021」として今年の11月に延期になりました。また、他にも出演依頼をいただいた劇団の公演が中止になったりもしています。

---私生活のほうはいかがでしたか。

自分も活動できないけど、世間も動いていないという不思議な時間でした。アルバイトは、中高年の方が休みをとった分、逆に忙しくなるという生活でした。ほとんど誰も乗っていない電車で自分だけはアルバイトに行くという生活でした。

---サブテレニアンでの公演には多数出演されていますね。

はい。ヘアピン倶楽部という劇団で何度も出演しました。いろいろと融通をきかせてもらって助かりました。僕は東京乾電池の養成所にいたんですが、その稽古場も地下にあるんですよ。割と似た雰囲気があります。ブラックボックスで、まったく光が入らなくて。不健全な感じが好きですね。ずっと稽古していて、外に出てみると太陽が明るく照っていて、「あれ」みたいな。

---性に合っているようなところがあるのでしょうか(笑)今回の舞台も楽しみにしています。

(聞き手 さたけれいこ)

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