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2020年10月 6日 (火)

ことのはbox「班女」稽古場レポート03

集中稽古 3 日目。 本日も小返しから始めていく。更に細かい部分の変更・修正から入っていく。 と言っても、これは「良くない部分・足りない部分の修正」というよりも、「より良く出来 る部分・新たな発見への探索」と呼べる非常に前向きなものだ。 前日の通しや、美術が入ったことにより更に広がった世界観を受けて、より緻密かつ繊細な 表現や、より納得のいく表現を求めて丁寧に小返しをしていく。 役者個人の特性や彼ら自身の持つ「音」を考慮しながら、全体の音と距離感・空気感をより 高度なものへと昇華する作業は、酒井演出の最も得意とすることであり、最大の武器と言え るだろう。
ここまで「音」にこだわる演出家に出会ったのは酒井が初めてだ。 演出家である酒井自身のビジョンももちろんではあるが、先に述べたように役者個人の持 つ音色や空気感がより酒井演出の世界観と溶け合うよう修正を加え、また、「こう言ってみ てはどうだろか」などと新しいものへの挑戦も繰り返していく。
今回、コンクール作品かつ 3 人という少人数キャストであることもあって、これだけこの 段階でこういった作業に没頭できることは演出としても、演者としても、非常に稀有な体験 をしているのではないだろうか。 普段の劇団公演では、様々な理由があってここまでこの作業に没頭することもなければ、ど ちらかというと演出家としてある程度の取捨選択を求められる時期であり、そういう状態 であることが多いのだが、今回はそうではない。
最後の最後まで貪欲に 演者たちはもとより、演出の酒井自身がこのことに対して最も楽しそうにしているのが見 ていて伺える。
夜は照明さんの見学を入れての通し。 演出助手として側で見ている自身の感覚として、先に述べたような稽古状況であるから、前 回と比べての良し悪しよりも「次はこうしてみたらどうか」「こういったこともできるのか もしれない」という感想が先に立つ。 今日の通しは今日の通しだった、というのが自分の率直な感想だ。もちろん、既に固まりつ つある部分で再現性の取れていない部分があったり、細かいミスはあれど、ここまで積み上 げてきたものに関しては役者個人の中でしっかり定着してきている感覚がある。
1 つの 1 つの通しで、実りと発見があり、そこに対して一丸となってアプローチしていく姿 は、これぞ「創作」だと言えるだろう。

明日も、またその次の日も、更に貪欲に新しく、より高度なものへの欲求を高めていっても らいたい。


演出助手 岡崎 良彦

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