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2020年10月 4日 (日)

ことのはbox「班女」稽古場レポート01

本日からサブテレニアンにて集中稽古の期間に入るのだか、今日一日は美術の試行錯誤の日として、役者はオフ日になっている。

美術を試行錯誤する話をここで書くのもなんなので、今回の作品である、三島由紀夫『班女』の演出プランの話でもしようと思う。

今回はコンクール仕様なので、演出プランが少々堅苦しいが、そのまま載せることにする。

 

『班女』演出プラン

この作品は、2 人の狂女の情念が完全無欠の状態で完成する、幸福の物語である。

■私はこの戯曲を下記の解釈によって演出する
花子の希望は吉雄の訪れによって永遠になった。待ち人であった吉雄ですら花子の「生きる」世界にとって人間でなかった以上、花子はこれからも永遠に吉雄を待ち続けることができる。それは永遠の希望を手に入れたことと同意である。絶対にもう訪れない「待ち人」は永遠であり、その望みが終結を迎えることはな
く希望の燈心は消えることはない。
実子は、自らの意思で狂人たるを得ている。「不」実現な世界(誰からも愛されることのない世界)を生きる【実子】は、「未」実現な世界(吉雄を待ち続ける世界)を生きる女【花子】を待ち人と出逢わせない為に策略を巡らす。そうすることで【愛されない自分】が【愛される希望】を持つのではなく【私ではない誰かを心から愛する人】を愛し、また自分の擒にする事で、互いを必要としあう幸福を得る事が出来る。そうすることで「未」実現な世界がある限り、停滞的な幸福の持続状態というものが得られるのである。
そして二つの情念の形は、花子の待ち人が永遠になったことで、実子の世界は完全に閉じられ、完成を迎える。実子と花子の共依存関係は完璧な幸福の形で完結する。


この解釈に基づき、稽古を進めてきた。
三島由紀夫の紡ぎ出す言葉の美しさに打ちひしがれながら、世界を構築してきた。
ここに、更に、美術的要素を加えて、稽古をしていく。


明日からは役者を入れての稽古となる。
3日間のオフになってしまったこと、また、今までの稽古より、劇場の下見等々を経て、少しサイズ感を変更した事を踏まえて、明日は丁寧に確認作業をしていくつもりである。

なんにしろ、明日の稽古が楽しみだ。

 

酒井菜月

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