ことのはbox 稽古場レポート3
本日は固定稽古場2回目。
前回は音響さんの前での初通し、音楽や環境音等のプランがより明確になってきたのもあり、本日は小返しを中心に稽古をしました。
主にテンポやリズム、間を開ける意味等を役者陣に叩き込ませた。
それは口や耳だけでなく、身体全身に染み込ませなければならない。
そのためにリズムを崩したら頭から、間を間違えたら頭から、正確なリズムと間をひたすら反復をする。
何とか間とリズムは正解まで辿り着いたが、ここから更に言い回しや語尾の使い方等を伝える作業に入らなければならない。この作業は非常に大変なのである。
人間は個々に会話のリズムやスピードが違うのもあり、これを全役者で統一させるのは非常に難しいのだ。キャリア組に関しては対応力があるのだが、そうで無い役者に関してはリズムに追われるばかりで台詞が死んでしまうのである、シーンが死んでしまうのである。
しかしこれを生かすのは演出の仕事の一つ、生かすも殺すも演出次第であると私は思う。そして横内さんの脚本は非常に面白い、やはり様々な座組みで再演されてきているのには理由があるのだ。だからこそ最大限のリスペクトを持ちつつ、私なりのジプシーを創り上げたい。
私はスピードとパワー、そして統一感を演出テーマに掲げている。この上質で繊細な言葉の紡ぎと世界観は、きっとストレートに演出しても成立すると思う。しかしそれでは私が演出で入る意味が無い。私とスタッフさんは勿論、私と役者陣のイメージ共有、役者同士のイメージ共有は必須である。だからこそ今日はひたすら反復したのである。スピードとパワーだけでなく、統一感を体現するためには反復しかないのだ。私の演出には鬼反復が必要不可欠なのである。次回は舞台監督さんと照明さんが通しを観にこられる。だからこそ今日は通しを行わず、反復に9時間を費やした。スタッフさん達に私の世界観を伝えるために使った1日。役者陣に世界観を伝えるために使った1日。役者陣をより光輝かせるために使った1日。
今日の稽古が次回に繋がる事を切に願う。
箱TEAM演出 山崎亨太
« ことのはbox 稽古場レポート2 | トップページ | ことのはbox 稽古場レポート4 »
この記事へのコメントは終了しました。
コメント