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2020年3月29日 (日)

ことのはbox 稽古場レポート12

私は今まで様々な舞台を観て来た。
静かなもの、派手なもの、シリアスからコメディまで様々な舞台を観て来た。
世界を広げるため、役者としてもジャンルに囚われずに出演してきた。

その経験から辿り着いたのがスピード&パワーの演出である。

パワーは比較的伝えやすいのだが、スピードの方は慣れていない人には大変難しい。

私生活での会話スピードは、私にとっての演出では遅い。リアルじゃないと言われたらリアルじゃないかもしれない。全てのシーンでは無いが、例えば5人の台詞の応酬が、まるで1人の台詞かの様に聞こえるスピードと間で入ること、私の演出ではこの部分を非常に大切にしている。

前の人の台詞の2文字前に被せる、これを施す事によって全ての台詞が繋がってくる。

今回の芝居でも頭からトップスピードで会話を行わせており、そこから一気にパッション溢れるダンスに繋げている。

今回の演出においてこの最初の10分は非常に大切なのだ。

徐々に引き込ませる演出ではなく、最初の10分で先ず引き込む。

トップスピードの会話、最初は理解出来ないかもしれない。私も早い会話劇の芝居を観ると最初はついていけなかったりする、しかし5〜10分経つと耳がスピードに慣れてくる、更に練られたスピードならば逆に心地良くなるのである。

この耳慣れがあるからこそ、引き込みがあるからこそ、間がより効果的になってくるのだ。

頭が動、その次は静、動ばかりでは御客様を置いていってしまうため、このバランスと配分には緻密な計算と狙いが必要になってくる。だからこそ私は早めにパッケージされたものを作り上げる様にしている。早めに作る事により、その配分とバランスにおいても演出が出来るのである。

今作も本番2週間前にはパッケージされたものを作る事が出来たため、本日も細かい手直しをする事が出来た。

まだスピードに追われる役者がいたため、先ずはリズムを伝える。

4人の台詞の応酬なのだが、トントントントントン、、、ポンと言った具合だ。

先ずはそのリズムの叩き込み、それが出来たら意味と狙いを伝える。何故ここまでトントントントンといきたいのか、何故間を空けてポンなのか、それによって次に喋る役者が活きるから等である。

感情のみで芝居しても御客様には何も伝わらない、感情が大切なのは解るが、心地良いリズム、間があってこそ伝わるのだ。

平均して5回の反復が必要となるのだが、小返しだと出来ても、いざ通しとなると若干遅れたり、台詞が雑になったりする。まあこれについては自主練の少なさ+経験値の差があっありするので、残り2日であるが役者には最後まで戦ってもらいたい。

しかしそれもこれも最初のトップスピードの演出、派手な引き込みがあるからこそ活きてくる。

役者同士だけではない、役者と演出とスタッフだけではない、私の演出というのは各シーンの活かし合いなのだ。やりたいシーンだけを入れ込む演出なら誰でも出来たりする。このやりたいシーンを最大限に活かすためにするのが演出なのだ。今作もやりたいシーンを全てに注いでいる、それを活かし合うためのスピードと間も演出した。

今作はスピードとパワー溢れる最初の10分、その引き込みからラスト迄の流れを観て頂きたい。皆でゴールまで一直線に走っていく、そんな爽快感を感じて頂けたら幸いです。

箱TEAM演出 山崎亨太

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