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2017年2月

2017年2月28日 (火)

舞台版「実録・連合赤軍あさま山荘への道程」稽古場レポート02

開幕まであとわずか、舞台稽古も自然と熱を帯びたものになってくる。
「皆も総括要求すべきなんだ!」森の怒号が暗闇を切り裂く。
漆黒の閉ざされ空間で、揺らめく炎はいったい何を見ているのだろうか。
45年前の今日、2月28日、あさま山荘で連合赤軍メンバー、坂口、坂東、吉野、加藤倫教、元久が検挙された。
警察による連日の放水の影響でさらに気温が低下する中、あさま山荘の中で5人はどのような気持ちでその時をむかえようとしていたのだろうか。
連合赤軍メンバーの心中は事件後生まれた我々には知るよしもない。しかし我々は我々の連合赤軍を表現しなければならない。
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和気あいあいとした空気の中、演出助手の声がサブテレニアンの稽古場に響く。
「あと8分でーす!」今日はついに一つの物語として舞台「実録・連合赤軍あさま山荘への道程」が語られる荒通し初日だ。皆それぞれの持ち場に入り気持ちを切り替えていく…そして…赤軍兵士の目に変わっていく。

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緊張感が漂う中、私達のあさま山荘が始まっていく。顔合わせの日、ぎこちなかった20人の役者が一つの作品の中で、お互いを知りその時を生きていた人物を理解しようとしている。何とか解ろうとし踠いている事が感じられる。まだまだだ!もっともっと!
実在の人物を演じるという事は本当に難しい。役者たちは踠き苦しみながら何を掴むことができるのだろうか。
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「この場で起こっている事を大切にして下さいね」
役者の苦悩を知ってか演出のシライの声が静まり帰った稽古場に響く。
舞台版「実録・連合赤軍あさま山荘への道程」公演まで残り9日 稽古は深夜近くまで続く
若松プロダクション
尾崎宗子

舞台版「実録・連合赤軍あさま山荘への道程」稽古場レポート01

舞台版「実録・連合赤軍あさま山荘への道程」稽古もいよいよ大詰め、稽古場をサブテレニアンに移動し早朝よりセットの建て込みを行なっての稽古がスタート。しかし本日は稽古前に元革命左派の方がお話に来てくださいました。
この貴重な機会に少しでも当時の空気を感じようと、演出家、役者関係なく供に車座になり聞き入ります。
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稽古場がサブテレニアンになりミザンス(セットにおける俳優の位置や動き)をつける稽古がスタートした。客席からどのように見えるかも芝居の重要なところ。どんなに良い演技をしても客席に見えて居なければ、元も子もない。20人の役者が一斉に芝居をする登場人物が多いこの芝居では、ミザンスをつけるのがとても大変だ。あの人もこの人も見たい!けれども映画とは違い場面をカットし編集することができないのだ。しかし舞台と言う限られた空間で観るというのは、役者から出てくる熱のようなものを直接に間近で感じたり、自分もその一部になったような錯覚さえ感じることができる。そんな醍醐味がある。そして何度も見ていると違った空気を感じる時もある。見る対象、見る場所が違うと感じ方も違うのだ。同じ空間にいるという事がこんなにも胸が苦しくなったり、目を背けたくなったり、逃げたくなったりする。いつの間にか総括をされている自分がいる。怖い。。。
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