板橋ビューネ2016参加劇団インタビュー:ペリカン船「『何で貴方は敵なんでしょう』。その言葉はサラッと放たれました。」
板橋ビューネ2016「ナンセンス」(http://itabashi-buhne.jimdo.com/)に参加する劇団に、劇団の軌跡や、みどころについて、別冊サブテレニアンがインタビューをいたしました。おのおのの劇団の魅力に気付かされる点が数多くありました。ぜひご一読ください。
---このインタビューにお答えいただく方のお名前と劇団の中での役割 を教えてください。
A 劇団ペリカンの田中達也です。旗揚げメンバーです。
---ペリカン船は田中さんの個人ユニットなのですね。劇団ペリカンのメンバー構成、人数、役割などを教えてください。
田中 劇団員は現在4名で、旗揚げ公演に参加して頂いた役者さんが入りたいと志願し新たに仲間が増えました。
今年11月の第二回公演に向けてパワーアップした作品をお届けすべく絶賛稽古中です。(※)
※劇団ペリカン第2回公演
『残念ながら愛してる』
2016年11月1日(火)~11月7日(月)
脚本・演出 南部鉄男
会場 SPACE梟門(きょうもん)
---劇団の旗揚げ公演について教えてください。
田中 去年11月に劇団を主宰の南部と共に旗揚げしました。『新宿さくらんぼ物語』という作品を書き下ろし、2015年11月に新宿のサンモールスタジオにて上演しました。サンモールスタジオでの劇団の旗揚げは自分達の劇団が初です。
---南部さんのことを教えてください。
田中 南部とは知り合いの舞台を観劇した後の打ち上げで、偶然隣の席になり意気投合しました。劇団ひまわり出身の俳優で、映像、舞台の仕事をしています。とても不思議な感性を持っている方です。今回は僕の個人ユニットなので関わっておりません。
---板橋ビューネ2016に参加した理由を教えてください。
田中 去年板橋ビューネ2015のU-25に役者として参加したのですが、今回は演出として見方を変えて挑戦したいと思ったのです。
---今回のテーマ「ナンセンス」について、感じたことを教えてください。
田中 ナンセンスとは何を持ってしてナンセンスなのかと、捉え方次第でとても広がりのある言葉だと思いました。
---なぜ「戦場のピクニック」という作品を選んだのか、作品について感じていたことを教えていただけますか。
田中 自分が初めて「戦場のピクニック」と出会ったのは、路上演劇です。去年開催された「多摩1キロフェス」という野外パフォーマンスのフェスティバルの中にあった演目の一つです。オムニバス形式の中に「戦場のピクニック」のワンシーンが抜粋されていました。劇中、「何で貴方は敵なんでしょう」という台詞があります。その言葉はサラッと放たれました。その時、一言でそれに対する答えは出せないなと感じました。
---今回のみどころを教えていただけますか。
田中 環境によって変化するものと普遍的なもの。
---戦場を肌で感じていたアラバールと、現在の私たちとでは、大きな乖離があるように私は思うのですが、田中さんはどう思われますか? 田中さんがおっしゃっている「環境によって変化するものと普遍的なもの」の中に答えがあると思うのですが、よろしければ、詳しく教えてください。
田中 現在の自分には戦争の実状を想像する事が限界で、戦場のリアルはその時代に生きて肌で感じている者だけが体現できると思います。しかし、今、自分が感じるのは、戦争とは色々な状況、環境に巻き込まれて生まれているものだということです。
それを直接的に伝えるよりも、身近な物に例えて伝えたらどうなんだろうと思っています。身近な物から、戦争というシュチュエーションで意味が変わるもの、変わらないもの、という違いを楽しめたらと思っております。
---ありがとうございます。身近な物も、きっと戦場につながっているのでしょうね。そんな想像にはたらきかけるような舞台になりそうですね。田中さん個人のことについても、質問させてください。好きな劇団、劇作家、演出家、俳優など、演劇の分野でのお気に入りがありましたら教えていただけますか。
田中 つかこうへい さんです。
---好きな音楽、本、人物など、演劇以外の分野で影響を受けたもの(人物)がありましたら教えてください。
田中 尾崎豊 です。
---写真では伺えない、田中さんのお人柄が表れていますね。お答えいただき誠にありがとうございました。上演を楽しみにしています。
(文責:さたけれいこ)
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