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2015年6月

2015年6月15日 (月)

ことのはbox 稽古場レポート13

6月12日(土)
 
ことのはbox 旗揚げ公演
「見よ、飛行機の高く飛べるを」
2015年6月17日(水)〜22日(月)
於:高円寺 明石スタジオ
集中稽古最終日。

 

本日は両チームとも最後の通し稽古。

昼チームは、出来上がって来るのが遅かったもののここ数日の追い上げは顕著であり、成果として現れている。

ここまで来るのに時間を要した分、各々の役者が自分に落とし込んだ役柄というのは強く、

本日もいい通し稽古になったのではないだろうか。

全体として、勢いがあり、冒頭から終焉までがリズムを持って展開しているように思う。

細かいミスなどは往々にして存在するので集中力を持って、本番も挑んで貰いたい。

夜チームについては、早い段階から出来上がっていた為、少し停滞してきたように感じられる。

しかし、それは逆を言えば安定しているという事でもある。

そして幸いな事に、役者自身それを感じ打開しようと勤めている。

私ができる事は、その打開しようとする力の方向が間違わないように誘導する事である。

さて、すべての稽古が終わった。

明日一日オフがあり、その後は劇場に入る。

そこで、美術が建ち、照明が入り、音響が入る。

稽古場で構築してきた、人と人との関わりが

劇場に入る事で、世界の中で行われる人と人との関わりになると私は思っている。

その中で役者がどう生きるか。

その為に稽古で、関係性や距離感に重きを置き、稽古をつけてきた。

劇場に入りまたきっと格段に良くなる。

そんな確信をもって最終稽古を終える。

演出 酒井菜月

2015年6月13日 (土)

ことのはbox 稽古場レポート12

6月11日(金)
 
ことのはbox 旗揚げ公演
「見よ、飛行機の高く飛べるを」
2015年6月17日(水)〜22日(月)
於:高円寺 明石スタジオ
集中稽古12日目。
 
本日は昼チームは通し稽古。夜チームは頭から流しながら返し稽古を行った。
昼チームの通し稽古では、相変わらず大小のミスはあったにしろ、取り敢えず稽古場の集大成のようなものが出たのではないだろうか。
今まで行った稽古の中で一番の出来であった。然し乍ら芝居と言うものは、様々な環境や、役者の状態で左右される。それの精度を上げていくのも稽古の重要なポイントである。明日の最後の通しで、もう一度より強固に感覚を固めて貰えるよう努めたい。
 
夜チームについては、頭から返し稽古を行った。今一度、作り上げてきた稽古に立ち返り、昨日の空回りしたベクトルをリセットして貰おうといった試みである。その試みの是非は明日の通しではっきりするであろう。
今日の小返しはブレを調整するというところに重きを置いた。感情のブレや欲しい間合いのブレ、距離感のブレ。明日の最終通しでは、それらを今一度、本当にきちんと感じるという事を意識に置き、行ってもらいたい。
時折入る効果音もかなり良い効果を発揮するようになってきた。
私の我儘を聴き続け、編集を続けてくれる音響さんにも感謝である。
この音が役者にまた良い影響を与えている。
 
明日が最終稽古、できることはやった。後は、役者が稽古の集大成として持ち寄るものをしっかりと受け止めたい。
 
演出 酒井菜月

2015年6月12日 (金)

ことのはbox 稽古場レポート11

6月11日(金)
 
ことのはbox 旗揚げ公演
「見よ、飛行機の高く飛べるを」
2015年6月17日(水)〜22日(月)
於:高円寺 明石スタジオ
集中稽古11日目。
 
本日も昼チーム、夜チームともに通し稽古。
 
昼チームの通し稽古については、大小のミスはあったが今週頭から積み上げてきた成果が出たように見受けられ、残りの稽古でどれだけ良い物になるのか期待ができる通し稽古だった。
 
夜チームについては、全体の纏りとして早い段階で出来上がってきたが現状停滞し始めている。役者陣もそれを 感じてか、打開しようと皆がやろうやろうとした結果、逆に空回りになってしまった。今日の通しでは空回りになってしまったが、その気持ちのベクトルは見て いて潔く良い方向に持っていけるようアドバイスしていきたい。この停滞を打破できれば更に1歩も2歩も良いものになると確信しているので役者陣と共に励んで行きたい。
 
通しを初めてから音響さんがベタでついてくれているので音との合わせ稽古も何度もでき有難い限りである。
 
残り2日、できることを精査し励みたい。
 
演出 酒井菜月

2015年6月11日 (木)

ことのはbox 稽古場レポート10

 6月10日(水)
 
ことのはbox 旗揚げ公演
「見よ、飛行機の高く飛べるを」
2015年6月17日(水)〜22日(月)
於:高円寺 明石スタジオ
集中稽古10日目。
 
本日も昼チーム、夜チームともに通し稽古。
作品として全体的にまとまりが出
​てき始めた。
然し乍ら、細かいミスはまだまだあるし、予定調和な部分など、精度を上げていける箇所がいくつもある。
 
今一度、最初に立ち返り、慣れやダレる事なく、新鮮に感じるということに重きを置き、また緊張感を持って明日の通しに臨んでもらいたい。
 
また明日からは本火を使っての稽古になる。
許可をしてくださったサブテレニアンさんに感謝
​である​。
 
衣装、小道具など本番で使用するものがほぼ出揃った状況で、より一層本番環境に近くなるので、そういった、本火を使用する刺激も芝居に積極的に取り入れ、その上で精度をより一層を高めていきたい。
 
残りの稽古日数もわずかだが役者陣には攻めの姿勢で取り組んで欲しい
​ものである​。
演出 酒井菜月

2015年6月10日 (水)

ことのはbox 稽古場レポート09

6月9日(火)
ことのはbox 旗揚げ公演
「見よ、飛行機の高く飛べるを」
2015年6月17日(水)〜22日(月)
於:高円寺 明石スタジオ
集中稽古9日目。
 
本日は昼チーム、夜チーム共に通し稽古。
昼チームは初めての通し。
今まで点と点であったものを線として繋げていく作業。
今まで細かく作ってきたピースを合わせていく作業。
噛み合っているところ、まだかみ合いきれてないところ等、役者、演出共々新たな発見。
通しになると、うまくいくところ、うまくいかないところが出てくる。
シーンごとの稽古量の違いも明確に出てきて、稽古量が少ないところはほころびやすく、一つ何かトラブルがあると次々とこぼれていく。
逆に安定してきたシーンは強固になってきている。
初めての通しで見えてきたものを大事に明日からの稽古に励みたい。
 
夜稽古は3回目の通し。
全体的に大分安定してきたが、逆に、慣れが出てきてしまい素直に感じてそこにいるということが少し困難になってきたように思う。
今一度、感覚をビビットに感じるということに重きを置いて取り組んでもらいたい。前日の駄目出しを行ってから通し稽古。
 
明日は照明さんと、音響さんが稽古場に。
今まで作り上げてきた芝居に音が加わることでさらに世界に深みが増すことになる。音が役者に与える外的要因は大きい。
様々な役者の変化が楽しみである。
 
演出 酒井菜月

2015年6月 9日 (火)

ことのはbox 稽古場レポート08

6月8日(月)
 
ことのはbox 旗揚げ公演
「見よ、飛行機の高く飛べるを」
2015年6月17日(水)〜22日(月)
於:高円寺 明石スタジオ
 
集中稽古8日目。
 
本日は転換稽古を中心に据えた稽古。
着物の衣装替え、多種の小道具、場面転換の多さ、と役者が芝居をする以外にも意識を向けなければいけない部分が多いので、劇場に入ってからより芝居に集中できるよう入念に転換稽古を行った。
 
稽古も大詰めを向かえ、この時期になると美術、照明、音響等各セクションとの打ち合わせも綿密になっていき、本番に向け具体的な絵が見え始める。役者陣もここまで積み上げてきた物を更に良き物にすべきと邁進してくださっているので、演出としてなんとかその手助けになるよう頭をフル回転させたい。残りの稽古日数も数える程になってきたのでその中で何ができるのか何をすべきかを精査し座組み一同劇場入りへ向け精進。
明日からは通し稽古を中心に行い、その中で気になったシーンの返し稽古。
 
梅雨入りしジメジメした嫌な気候になるが、体調管理含め自身のやるべきことの溢しがないように注意。
 
演出 酒井菜月

2015年6月 8日 (月)

ことのはbox 稽古場レポート07

 6月7​日(​日​)
ことのはbox 旗揚げ公演
「見よ、飛行機の高く飛べるを」
2015年6月17日(水)〜22日(月)
於:高円寺 明石スタジオ
集中稽古7日目。
 
本日は役者陣が休みなので丸1日小道具作りに専念。
今作は舞台設定が明治時代という事もあり小道具一つとっても難解である。
身に染みて分かった事は、モノにも歴史があるという事。
万年筆なら万年筆、紙なら紙、ノート、ラケット、体操服、ドロップスそれぞれに歴史的変化がある。その歴史を調べるのも実に興味深い。
所謂歴史というのはそんな一つ一つのモノの歴史の集合なのだと実感。
そして、その歴史を知ると、さらに台本が深く、色濃く、人としてリアルに迫ってくる。
現代では入手し辛いものや存在しないものが多く、一つ一つ手作りをしていかなくてはならない。
どうしたらその時代にそぐうのか、その時代の新品に見えるのか。そんな事を考えながら一つ一つ丹念に作成していく。
 
小道具だけではなく衣装も、ほぼ全員が着物を着用し、且つ何度も着替えを繰り返す。
役者自体が着物を着慣れていないと成り立たない。然し乍ら、早い段階で衣装を粗方揃えられた成果は出ているように思う。
生徒達の着用する、体操服などもこだわりのポイントである。
そんなことを思いながら着々と作業が進み、粗方、小道具、衣装共に完成。
明日は、転換稽古を中心に稽古を進めていく。これも落ち着いて芝居をする為の大事な作業である。
転換稽古が終わったら、あとはひたすら、通し稽古とそれに伴う返し稽古。そこで芝居の事に専念して行くためにも、明日の稽古もしっかりと行いたい。
 
演出 酒井菜月

2015年6月 7日 (日)

ことのはbox 稽古場レポート06

 6月6日(土)
 
ことのはbox 旗揚げ公演
「見よ、飛行機の高く飛べるを」
2015年6月17日(水)〜22日(月)
於:高円寺 明石スタジオ
集中稽古6日目。
 
本日も気になるシーンを抜き稽古。
サブテレニアンで5日間の稽古が過ぎ、簡易的ではあるが舞台セット組み、衣装、小道具を身につけ稽古してきた結果が出始める。着物の着方や所作、小道具の扱いに大分慣れ、当初はその場に居ることがぎこちなかった役者陣が舞台上で演技することに違和感が無くなってきた。
このまま稽古が順調に進んでいけば、劇場入り後の舞台セットが立った中でも臆せずその場にいることができるようになるだろう。
そういう面でサブテレニアンでこのような稽古ができることは座組み全体として有難い。
 
シーン稽古に関しても着々と積み上がっている様が見てとれる。
夕方より、1シーンできない場面があったが通し稽古をした。今まで部分稽古しかしてこなかったので全体を通すことにより演出側にも役者側にも気づくことが多く、明日の稽古休みにその気づきについて深く考えて頂ければ幸いである。
日曜日はよく休養して貰い、来週からの佳境に入ってくる稽古に備えて欲しい。
 
演出 酒井菜月

2015年6月 6日 (土)

ことのはbox 稽古場レポート05

6月5日(金)
ことのはbox 旗揚げ公演
「見よ、飛行機の高く飛べるを」
2015年6月17日(水)〜22日(月)
於:高円寺 明石スタジオ
集中稽古5日目。
 
本日は音響さんの立会いの元、劇中で使用する音声等の録音作業。
一通り録音した後、録音した音の編集等細かい打ち合わせ。
それに従い、演技スペースを役者達に開放し自由な時間に使用して貰うことにした。
 
芝居を作っ ていく上で、演出家と役者間でやり取りをし、芝居内で役者同士がコミュケーションを取って芝居を作っていけるのが理想であるが、当公演は出自の全く違う役者達が集まった、皆一緒に芝居をするのがほぼ初めての座組みである為、役者間同士でやりたいことを擦り合わせたり、細かい共通認識を共有したりできる時間がつくれたのは大変有意義だった。
こういった時間が有意義な時間として使えるのは、今まで稽古してきて各々が役やシーンに対してある一定の物を積み上げ、これから更に良くしていく為の違和感を持っているからだと感じる。
この段階でこの様なワンクッションを取れたのは収穫だった。
明日は返し稽古を行いシーンの更なるブラッシュアップに努めたい。
日によって昼夜の温度差が激しいので体調管理は怠らずに。
演出 酒井菜月

2015年6月 5日 (金)

ことのはbox 稽古場レポート04

 6月4日(木)
 
ことのはbox 旗揚げ公演
「見よ、飛行機の高く飛べるを」
2015年6月17日(水)〜22日(月)
於:高円寺 明石スタジオ
集中稽古4日目。
 
本日は気になるシーンを抜き稽古。
 
昨日のシアターゲームの
​効果かどうか定かではないが、今まで上手く行かなかったシーンの歯車がかみ合った。まだまだではあるがこの一線を越えられたのは大きい。
演出席から見ていて、このように役者が突如跳ね上げる瞬間に立ち会えるのは何よりも冥利につきる。これを機に他のシーンにも波及していくことを望む。
役者陣に疲れが見え始めてきた頃だが、来週頭から通し稽古を行いたいのでなんとか踏ん張って欲しい。
演出 酒井菜月

2015年6月 4日 (木)

ことのはbox 稽古場レポート03

 6月3日(水)
 
ことのはbox 旗揚げ公演
「見よ、飛行機の高く飛べるを」
2015年6月17日(水)〜22日(月)
於:高円寺 明石スタジオ
集中稽古3日目。
 
昨日できなかったシーンの続きを返し稽古。
本日も相手との距離感に重点を置き稽古を進める。
 
今回の演目は劇中にダンスがあるわけでも殺陣があるわけでもなく、純然たる会話劇である。
舞台上で 「会話」をするとは、日常生活での「それ」とは全く異なるものであり、それを再確認する為に、ゴムボールを使い全員でシアターゲームのような事を行った。 短時間ではあったが全体の意識統一を図る共に、煮詰まってきている役者さんに違った視点から体感させることによって何かを掴んで貰い、明日以降、結果とし て出てくることを期待する。
 
各シーンを稽古していて、1対1や少人数のシーンでは空気感ができ始めているが、大人数のシーンとなるとまだまだ各自の意識が違った方向に向いていることが多く見受けられるので、そこの調整をしつつ1つ1つ丁寧にシーンを作って行きたい。
 
稽古後に照明、音響のスタッフとの打ち合わせ。
 
演出 酒井菜月

2015年6月 3日 (水)

ことのはbox 稽古場レポート02

 6月2日(火)
 
ことのはbox 旗揚げ公演
「見よ、飛行機の高く飛べるを」
2015年6月17日(水)〜22日(月)
於:高円寺 明石スタジオ
集中稽古2日目。
 
冒頭のシーンから順に返し稽古。
稽古当初から方言について注意深くチェックしてきているので、ここにきて大分浸透してきている。
しかし、劇中の人物たちは普段から話す言葉として何不自由なく喋っているのだから、本番までの期間でそのレベルまでに到達させるのは並大抵のことではない。
それに対しては昨日触れた着物の着方及び所作も同等であり、時代物を上演する際にはその部分でも自身に負荷をかけなければならない。
そこが中途半端になってしまっては世界観の説得力に欠け、観手の意識が逸れてしまう部分でもあるので、最後まで拘り結果を出して欲しいと切に願う。
 
本日、主に重点を置いたのは相手との距離感である。
会話をする上で先に述べた方言という縛りがある中で、台詞がしっかりと自身の中に落ち対話できている者と、まだ台詞に振り回されている者の差が出始めている。
役者同士のチャンネルをどう合わせて行くのかが明日以降の課題であり、その中でシーンの空気感の作り込みや全体を通してのそのシーンの意味づけを模索していく作業に今週は時間を割いていきたい。
 
全体の半分程のシーンをやり本日は終了。
 
演出 酒井菜月

2015年6月 2日 (火)

ことのはbox 稽古場レポート01

6月1日(月)
 
ことのはbox 旗揚げ公演
「見よ、飛行機の高く飛べるを」
2015年6月17日(水)〜22日(月)
於:高円寺 明石スタジオ
本日よりサブテレニアンにて集中稽古。
 
舞台監督を交えて、簡易舞台の立て込み。
2階屋へ行く階段ができたことによって、劇場入り前により階段周りの芝居を詰めることができる。
 
当戯曲の時代設定は1911年、明治44年。
作品の世界観に説得力を持たせるため、方言、衣装、小道具等、当時の世界に近づくよう徹底してきている。
本日はサブテレニアンでの稽古初日ということもあり、芝居の稽古を行うことよりも、
衣装合わせ、小道具類の確認、衣装を着用しての最初から最後までのミザンスの確認、早着替えの稽古等、
テクニカル的な部分を行った。
この時期に諸々の確認ができたのは稽古が大詰めになった際に芝居のみに集中できるようになるので
役者、演出としても大変有意義である。
 
特に問題となったのは、衣装が着物でしかもほぼ全員劇中で着替えを行うので着替えた後の着物の着崩れ、
及び着付けにかかる時間である。
普段から着物をお召しになるお客様がご覧になっても綺麗な見栄えに写るよう各自練習して頂く必要があると再確認。
 
演出 酒井菜月

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