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2014年10月

2014年10月30日 (木)

Ammo「Lucifer」稽古場レポート06

本日でサブテレニアンでの最後稽古、そして全体でも最終稽古となりました。
最初に「ボスニア•ヘルツェゴビナの話を書きたい」と言った時の周りの反応は今でも忘れられません。ある人は「ユーゴの話は日本人には理解できないよ」と言い、ある人はそもそもどこかもわからない様子でした。
最初にこの(添付の)写真を見たときに、ありふれたアルミール•ムイキッチ君14歳、恐らくサッカー少年の死は震災で亡くなった子供のそれとなんら変わらないのではないかと考えるようになったのが起点。それぞれが積み上げ、本日俳優から「今日もボスニア人として生きるぞ」という声が上がるに至って、物語はようやく始まったと実感しました。
明日から劇場入り。
お席はまだ御座います。ぜひ、遠くの空で生きる私達を観に来て頂きたいと思っております。
ご予約はこちらまで。
http://ammo.works
南慎介

2014年10月28日 (火)

Ammo「Lucifer」稽古場レポート05

 サブテレニアンから、こんばんは。
 稽古場レポート5日目です。
 今日はスタッフが全員集合しまして、稽古見となりました。最近はミニマムな座組かいわゆる商業現場が多かったので、このように力強くも芸術性を担保してくれるスタッフが揃っているのは本当に有り難い限りです。
 特に音響効果のミ世ロメノ道理こと北さんとは回数を重ねて来ているのもあり、音づくりから共同で取り組んできました。今回に限らず、私の作品の特徴として極めて情報量が多いので、音響効果にも一工夫加えています。音響の意味を台詞の意味と近づけすぎないこと。
 特に、長台詞などの時は「いかにお客さんが聞きやすい状況を作るか」ということに重点がおかれていて、シーンの位置づけ、台詞の字面上の意味を時に無視する作りとなっています。
 明日で稽古も最終日!いい作品にできるように、最後まで出演者スタッフ一同、粘っています。
 南慎介

Ammo「Lucifer」稽古場レポート04

サブテレニアンからこんばんは。

 今日は「声」について。

 演劇でまず切っても切れないのは「声」なのではないでしょうか。

 今回の舞台では「チャント」と呼ばれるサッカーの短い応援歌が挿入されています。

 本来は短いリズムと節を持った祈りを捧げる宗教的な儀式を意味する言葉のようですが、チアリーディングの掛け声やフラで使用されるハワイアン・チャント。そして、応援歌のことを差すことが多いようです。

 チャント=応援歌は非常にポピュラーなものであり、かつ演劇的には示唆に富んでいるものの、中々ご存じない方が多いように思います。

 

 まず、想像して頂きたい。スタジアムで、4万人が歌う凱旋行進曲を。

 声の響きのみだけでスタジアムが揺れるのです。元はもちろん人の数と声でしかないのですが、最初に聞いた時に泣きそうな気持ちになったのを覚えています。

 今回はそんなチャントを演劇的に再構成しようと試みてます。

 ぜひ、舞台でご覧になって頂きたいと思っています。

 南慎介


2014年10月26日 (日)

Ammo「Lucifer」稽古場レポート03

サブテレニアンからこんばんは。今日もAmmoの南です。
 今日は選択の話です。外国を舞台とした物語の場合、必ず突き当たる悩みというのが、発音、そして固有名詞です。私達はこれを徹底的に「日本語風」に書き直します。
中にはそれでも発音しにくいものもあり、俳優の身体がなじむまでに時間がかかるものもありますが、あくまで日本人の耳馴染みのいいものにこだわります。
 恐らくですが、再演のときはその時の通例に従うでしょう。
 今回はボスニア・ヘルツェゴビナの話ですので、そもそも国名からして発音からしたらボスニャ、に近い。日本で一番有名なボスニア・ヘルツェゴビナ国籍の人物である、イビチャ・オシム元日本代表監督にしても、イビツァ、の方が正しい発音です。
 主要な民族のセルビア人、クロアチア人、ムスリム(ボシュニャク人)も、現地の発音だとセルビア人=スルスキ、クロアチア人=フルヴァツキ、ボシュニャク人=ボシュニャチの方が発音的にも正しいわけなのですが、私達が目指しているのは現地の再現ではありません。
 日本人、というサミュエル=ハチントンが「文明の衝突」の中で「唯一国と文明が一致している場所」。逆に言えば宗教観=モラル、規範に影響を受けにくい国に生まれ育ったからこそ、多くのノイズを排して「事実の再構築」をできるのだと考えています。
 しかし、俳優は中々苦戦しているようでして…写真はイビツァ・オシムの発音が出来な過ぎて物真似で答えようとする信國輝彦。
 では、また明日。
 

Ammo「Lucifer」稽古場レポート02

こんばんは、私たちはAmmoという演劇ユニットです。
私たちのコンセプトは「遠くにいるあなたは、わたし」ということで、
日本人にはあまりなじみのない地域、歴史、人物にフォーカスを当て、それを演劇的に再構築することを目的としています。
これをあえて日本人の身体でやることに意義を見出しているのは、
事実がメディアに伝わり情報として伝播していくことに相似しているから。と私たちは考えます。
事件が起こる→それをマスコミが抜き出す→メディアに載る→翻訳、あるいは他種のメディアに転載→個人に伝わる→解釈する
という過程が、
外国人が実際にそれを行う→戯曲として構築する→読む→文化的理解をする→俳優個人に伝わる→演技
というプロセスが余分に挟まっていることこそが、メディアで無限に拡散されている情報を私たちが取捨選択している過程と相似してるのではないか。
これが、私たちの基礎概念です。
明日からは、これがどのように稽古場で実践されているのかお伝えしたいと思います。

2014年10月24日 (金)

Ammo「Lucifer」稽古場レポート01

こんにちは、Ammoです!
今日から大山にあるサブテレニアンさんに入りまして、追い込みのスタジオ稽古に入りました。
実寸を取り、道具がそろって全体像がはっきりしてきました。
今までの稽古で見えてきた課題や美点をどんどん磨いて、より良い作品を作り上げていきますよ~っ!
さて、そんなスタジオ初日ですが、なんと、稽古中に誕生日サプライズが決行されました。
ひが…主賓は出演者の信國輝彦さん(22日)、大春ハルオさん(26日)のおふたり。
2人が出てくるシーンをお祝い用に改変し、文字通り盛大に祝わせていただきました。おめでとうございます!
本番まで、あと8日。
「Lucifer」、お楽しみに。
(文責:山邉)

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