今年もサブテレニアンが、フェスティバルをやります。このフェスティバルの参加条件は「古典の上演」です。既存のテキストを用いて、新しい解釈・演技・演出によって古典の魅力を引き出すことが目的です。
芸術に必要な独創性や個性といったものは、果たして舞台芸術にとって何を意味するのでしょうか。果たして、テキストの「独創性」だけが舞台芸術の“新しさ”なのでしょうか。私たちは少し遡って、俳優と観客が演劇を形作るという課題に立ち返ってみたいと思います。誰もが知っている古典を取り扱うことで、舞台芸術にとって最も重要な要素――俳優と観客――が創造するフェスティバルを目指したいと思います。
上演は常に現在地点でしか行われません。「古典」は、「古典」として読まれるだけでは同時代性を持ってはいません。それが上演され、息を吹きかけられ、新しい解釈を得ることで同時代性を手にすることができます。私たちは決して、歴史を抜きにして「イマココ」を理解することはできませんから、「古典」に触れることで初めて現代性を獲得することができるのだと思います。テキストは単なる読み物ではなく、俳優と観客の間で育まれるべきものです。その意味で、舞台芸術は常に未完成的であり、生成的であり、未熟な芸術なのでしょう。それは、大規模な劇場であっても、私たちのような小規模な劇場であっても同じことです。
サブテレニアンは決して恵まれた劇場ではありません。不便な部分もあると思います。しかしそれを不便と考えず、魅力と感じる方を求めます。そしてそういう場所でやるからには漫然とした作品はいりません。先鋭的な作品を求めます。
また今年は2都市で開催します。さらに韓国から招聘劇団もあります。私たちは、新しい演劇を作る担い手と、その観客を求めています。私たちは、皆様に対して開いていきたいと思います。
是非、板橋ビューネ2014にご応募いただければ幸いです。
板橋ビューネ実行委員会
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