6月7日(金)
今日は始めにまたブロックごとの通し稽古をしたのだが、正直場面によって出来不出来の差があった。初めての通しを終え、かつまた、昨日の抜き稽古でいい芝居ができたことの揺り戻しがあったように思う。役者も私も、気を抜いているつもりはない訳だが、疲れもあって力を抜いてやろうとしたことが、悪い方に出たと思う。
そこのところは細かく駄目出しをして、また心理的な面での気の持ちようもきちんと指摘して、
昼間の稽古は終えた。
稽古をやっているとこういうことは稽古中に一回くらいはあるものだとは思う。
だが、そこをまあまあそういうものだと通りすぎないで、演出家が指摘をしてもう一度各々芝居を見直し、気持ちの面でも持ち直して、次の通し稽古に臨むことが必要だ。
本当に芝居には幕が降りるまでこれでいいということはない。
骨が折れる作業だが、人に見せようというものを作っているのだ。当たり前のことと思ってやれることを最大限やるしかない。
不安も正直募ったが、気合を入れなおすいい機会ととらえた。
その後は転換稽古を行った。
転換は殆どを役者が行う。役者は演じてさえいればいいというのが理想だが、そうもいかない。転換の手がつかないと役者自身も落ち着かないし、それに転換は重要な芝居の一部だ。
どうしたって暗転が挟まると観客の集中力を途切れさせるきっかけになるから、そこをできるだけスピーディーにして次のシーンにつなげる必要がある。
なので時間をかけてしっかりと転換の手をつける。
役者の中に転換を始めとしたスタッフワークに長けている者が居て、リードしてくれる。
私はそういったことにはまったくうといのだ。
その役者のもと、力を合わせて転換稽古を乗り切った。
なんとかホッと一息というところだ。
休憩を挟み、いよいよ二回目の通し稽古だ。
開始前に輪になって、再度通しに向けた気持ちの確認をする。
私はこれをよくやるのだが、通しや本番の前に集合し、輪になりお互いの顔を見ておくことは本当に重要だと思う。
お互いの目を見ておくことが大切なのだし、お互いに同じ方向を向いて芝居をすることを確認するいい機会になるからだ。
正直昼間のことがあるからどんな出来になるかと不安だったが、結果いい出来だった。
昼間うまくいかなかった役者もきっちり通しに合わせて気持ちを上げて取り組んでくれた。
昼間とは見違えるように、各シーンがイキイキとして、体感時間がまったく昼間とは違いどんどんシーンが進んでいく印象だ。
さすがに各役者、自覚を持って取り組んでくれることが大変頼もしいと感じた。
もう少し力を抜いて今回と同じことが出来ればこの芝居は行けると思う。
後は、役者と私が昼間のようなことのないように頑張っていくだけだ。
明日は二回通し稽古。
二回とも上出来として、稽古を終えられるように、私も役者も全力で頑張る。
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