スポンジ『魚のいない水槽』レポ05
5日目
昨日、最後のシーンまで渡したせいなのか、不思議なもので芝居が後半に完全に引っ張られてしまった。それを排除する作業が必要になる。軽いところは軽く。重いところは重く。緊張と緩和が大事なんだと思う。それを再度、役者に伝えて稽古を進める。後半の為のシーンでなく結果、そこに辿りつくくらいで丁度良い。今回、一番重要だと思うシーンを集中的に稽古する。僕の考えでは台詞なんてどうでも良くてその人物の生き様が見えれば良い。ただそれだけだ。だからどうしても背景が大事になり、毎日のように役者にそれを伝える作業。地味だがそれが幹となり役に厚みが出来る。僕は演出をする際にはテーブルに座ってではなく極力、役者のところまで行き話をするように心がけている。今まで 僕が経験していた演出家の方々は大体テーブルから伝えてくださる方が多かったのだが、ちょこまか動いて演出する人間がいても良いと思うし、一緒に作品を作りたいと思う想いがあるのも確かでこの方法にしている。特に今日は重いシーンの稽古だったので、一歩間違えればナルシステックに見えてしまう。それはどうしても避けたいので、役者にニュアンスなど細かく伝える。テンションをあげる。よく聞く言葉だと思うだが、これは凄く漠然としていて、そりゃあがってくれる事に越したことはないのだが、それを伝える作業。やはり背景。何故、彼(若しくは彼女)がそのような状態になったのか細かく伝える。そうするヒントを出すことによって役者が集中をしテンションもあがり違った演技になるのはみ ていて面白い。
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