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2012年3月19日 (月)

スポンジ『魚のいない水槽』レポ02

2日目

演劇において人物・シーンを見せていくとき、発散にはエネルギーと熱量が要求されます。それによってその人物の内面をさらけ出す。というのが僕の好きな手法です。

 エネルギーを発散するというのは静かな演劇ですとか新劇ですとか、何かを演じる上で必ず伴うものですが、観客(というか人間)の生理として熱量のあるひと・ものに目が行くわけです。逆に言えば、魅せるためには熱量が必要になるということですね。
 今回で言えば、ある人物が怒りを露わにするシーンがありまして、そこを演じる彼女は台本を読み叫んで発散するという方法を 一旦選択しました。確かにこれもひとつの方法であります。しかし台本 に沿ってその人物を運んでいくのに『生理』という壁が立ちはだかりました。そのシーンで言うなら、彼女は “しゃがみこむ ”ことができなかった。
 しかし、彼女は他の共演者の演技を通じてその『叫んで発散する』という選択に疑問を覚え、他の表現方法を模索し始めました。今の時点でまだ完成はしていません、しかしそこに “気づき ”が生まれたことだけは確かな事実です。ト書きの様に彼女は “しゃがみこみ ”ました。こうして書いてみると なんだかおかしな感じですが。 もちろんこれで終わりではありません。まだまだ見え方のバランスなど調整は必要です。
 イメージは もちろん役者に伝えますが確固たる プランを提示するタイプの演出家ではない僕としてはその俳優の『気づき』を頼りにしているところ があります。もちろん俳優が気がつけなければテクニカルな部分でサポートをすることはできます。ですが、 役者自身がが疑問を持 ち、 違った アプローチ を試みる。これを『気づき』と僕は読んでいます。 俳優が気づけば、僕も気づき、作品が広がる。この瞬間が 、作品が・もしくはその人物が一歩踏み出した 瞬間なんでしょうね。
 本日はそんな瞬間を目にしました。

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