yagi_soir『Récital〜愛の棲〜un nid d'amoureux』
5/14(土)、yagi_soir『Récital〜愛の棲〜un nid d'amoureux』(構成・演出/矢ケ崎聡智)が上演された。
「上演された」と書いたが、それを上演だというならば、である。矢ケ崎氏は寄り合いの後の、宴の余興みたいなものだという。半裸の男女が絡み合ったまま、観客の入場が始まる。既に料理も用意されており、所謂、演劇を見に来たという状況とは大きく違うというのがすぐに分かる。
過去の上演とはいくつか変わったことがあった。今までは女優二人の独特の呼吸及び発声が特徴的だったが、まず今回は初めて男性が登場した。今までの主人と奴隷という縦のイメージが薄れて、どうしても男女の横のイメージを強く感じた。また発声は囁きのようになり、yagi_soir独特の、ということではなかった。自然な発声になったことで、立体感が薄れ、場の一体感(?)が出、それは観客の共犯意識を高めることになっていたと思う。
その延長だろうか、上演は結局1時間程続いた。「切れなかった」という方が正しいのかもしれないが、いつもの15分程と比べれば観客が眼前のこと以外を考える時間が長くなる。それが良かったのかどうなのかは正直判断がつかない。ただ一つの実験が次のステップに進んだのは確かだ。サブテレニアンがガムユーシュ城になる日はいつになるか。
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