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2010年9月23日 (木)

微塵流 手代木正太郎氏インタビュー

 昨年、仙台の俳優たちとワークショップを行い、公演を行った微塵流が、10月にサブテレニアンで第二回目の公演を行う。今回は東京都内で活躍する俳優とダンサーが共演する試みだ。その稽古見学をさせてもらった後、主宰の手代木正太郎さにお話をうかがった。

微塵流 第二回公演『中国のソフトクリーム』〜中華風シュールリアリズム幻想〜(2010年10月9日、10日)

------宦官の青年が主人公なのだそうですね。

 正確には、自分を宦官だと思い込んでいる青年です。

------宦官とは、中国の王朝に仕えた家来ですよね?男性性器を取ってしまった・・・。

 最近まで生きていた宦官もいるようですね。刑罰で性器を取られた人と、そうでない人がいて、自ら進んで宦官になる人も多いそうです。睾丸も陰茎も全て切り取ることも、部分的なこともあるようです。子供は作れなくなってしまいますが、疑似家族のような、宦官たちのコミュニティもあるそうです。

------宦官の青年を演じる池内一晃さんの演技は、今の若者らしく見えました。

 池内さんからはいろいろと質問を受けましたが、敢えて現代風に演じてもらいました。主人公の青年は、「人間の三大欲求が無い人物」という設定なんです。「食欲」「性欲」「睡眠欲」の三つですね。特に今回は「食」をテーマにしていて、中華料理にまつわる話がたくさん出てきます。青年は、食欲すら無くなってしまった人物なんです。

------それでも、ソフトクリームへの欲求だけが消えない、と。

 ええ。ソフトクリームは中国が起源で、日本にはじめてやってきたのは昭和20年代だそうです。それを聞いた時に、作品の発想が膨らみました。

------「欲がない」というと、「草食系男子」と言われるような今の若者を象徴しているようにも思えるのですが?

 敢えてそうしようという意図はないんです。ぼんやりと思っていることを、答えを用意せずに提示して、後はお客さんに感じ取ってもらいたい、そうでなきゃいけないと思っています。

------出演される役者とダンサーは役割を分けていらっしゃるそうですね。どのような違いがあるのですか?

 風景を作るのがダンサーで、物語を進めるのが役者、と考えています。僕の作品は、役者は一人か二人しか出てこなくて、他は身体表現や風景を担ってもらうことがほとんどです。

------役者は「LIVEROCK」がサブテレニアンで公演した時(※)に、手代木さんと共演した方々なのですね。お互いに話し合いながら進める稽古が印象的でした。息も合っていらっしゃるのですね。

 ありがとうございます。

------振付の手代木花野さんは妹さんだそうですね。

 ええ。妹は日本女子体育大学の舞踊科を出て、コンテンポラリーダンスをやっています。彼女と「何か作りたいね」と言ってはじめた企画です。演出をしていると、意見がぶつかることもありますが。妹の方が気が強いんですけどね(笑)。

------演出と振付、役者とダンサー、それらのコラボレーションが楽しみです。
今回はどうもありがとうございました。
(聞き手:さたけれいこ)

※2009年11月LIVEROCK 9th beat『オトナフザイ』、2010年5月LIVEROCK 10th beat『ナンデカワカラナーイ』於サブテレニアン

手代木正太郎(てしろぎ・しょうたろう)
1981年生。宮城県松島町出身。怪奇、幻想、探偵をテーマに絵画、舞台など多数の作品を発表。昨年、実験的表現集団微塵流を立ち上げて、第一回目の公演を行った。 ※09年10月『慈善週間または七大元素』生命創造のコラージュ実験劇@Gin'sBAR(仙台)

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