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2010年8月13日 (金)

桃唄309WS&発表会

 2010年8月7、8日と、サブテレニアンにて劇団桃唄309のワークショップが開かれた。俳優や、俳優を目指す人のためのワークショップだが、そうでない人でも楽しめるように、広く開かれたものだった。
 内容は、劇団の代表であり、劇作家・演出家の長谷基弘氏の創作のプロセスを、理論と実践で体験するというもの。けれど、その理論は桃唄309のみならず、俳優や劇作家、演出家が日常的に行っている仕事にも通じるものだと感じた。
 身体をほぐすストレッチからはじまって、グループに分かれての作品創作、発表までを2日間で行う。たくさんの課題をこなすので、ワークショップは分刻みのスケジュールで進行する。
 作品の創作のために、まず『フォーカス』という手法を学ぶ。これは、俳優や演出家なら誰もが無意識に行っている仕事を、長谷氏があらためて名付けたものだ。
 観客は、舞台上のどこを、誰を、見ているのか。焦点/フォーカスはどこにあるのか。それを意識的に操作するのが、この手法だ。桃唄309はこの手法を使ってシーンの切り替えを行う。一つの作品に100以上のシーンを盛り込めるのは、そのためだ。
 舞台の前と後ろでは、どちらに焦点がいくのか。高低では? 動いている状態と静止している状態では? それらを2間×2間の簡易舞台の上で検証する。
 次に、言葉を用いたワークショップ。尾崎放哉の句のうちの一句を与えられ、その句を身体に落とし込むべく、いろんなやり方で詠み上げる。「なんと丸い月が出たよ窓」「蜜柑たべて火にあたつて居る」初見で読んだ時と、いろんな読み方を試した後では、読み方がだいぶ変わっているのを実感する。
 その後グループに分かれ、自分のものになった句を基に、母、娘、などキャラクターを考え、話し合いながら「縁側」「ぼんやりとした丸」など、作品のテーマとなるキーワードを挙げていく。
 挙げられたテーマから作品を作るにあたっては、長谷氏が過去に書いたリーディングのための戯曲を分析、解体して、シーンの構成のみを取り出し、そこにグループで考えたキャラクターとプロットをあてはめるという作業をする。
 ワークショップの後半のほとんどはグループ内の話し合いに充てられるのだが、この話し合いによって個人の個性が際立ってくるのを感じた。みな活き活きと話し合い、真剣そのものなのだ。
 そして発表。長谷氏のアドバイスがあって、もう一度発表。どれも力作揃いで魅せられた。『丸が見ている』『ありづか』『葱畑』これが今回のワークショップで生まれた3作品だ。タイトルは観ている他のグループの人たちが考えた。
 発表会には、受講生でないお客様も見に来てくれ、充実した2日間が締めくくられた。

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