2024年2月27日 (火)

サブテレニアンプロデュース ガザモノローグ2023  The Gaza Monologues 2023

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「ガザ・モノローグ」は、パレスチナ自治区ガザ地区で大きな紛争と苦難を経験した人々の声と経験を紹介する演劇プロジェクトです。2010年にパレスチナのラマッラーにあるアシュタール劇場とイスラエルのハイファにあるアル・ミダーン劇場の共同プロジェクトとして、進行中のイスラエル・パレスチナ紛争とガザの人道危機への抵抗の表現として産まれました。


何年にもわたって、「ガザ・モノローグ」は進化を続けており、変化する現場の現実を反映するために新しいモノローグが追加されています。

「ガザ・モノローグ2023」は2023年のパレスチナ連帯の日(11月29日)に世界中の劇場で上演されました。日本ではデモの中で朗読されましたが、劇場での公演はありませんでした。

「ガザ・モノローグ」に共鳴したサブテレニアンは、パレスチナ連帯に加わりたいと考え、テキストを翻訳し、三人の俳優による朗読の公演を行いました。

You Tubeに全編をアップしていますので、ぜひご覧ください。
The Gaza Monologues 2023 サブテレニアンプロデュース ガザモノローグ 


アフタートークには『パレスチナ/イスラエル論』の著者で東京経済大学教授の早尾貴紀さんをゲストにむかえました。早尾さんは「通常の理解をはるかに超える、理性それ自体を無化するような暴力を、同時代を生きる我々が、それでも想像力を働かせ理解することが問われている」と語りました。また、パレスチナでの滞在で出会った詩人サーミ・アイ・カシムとの思い出に触れ、政治や抵抗の詩に節をつけて歌うことが日常であることを語ってくださいました。政治、文化、日常が近づくような試みを行う、サブテレニアンのような取り組みを応援したいと話していただきました。
(さたけれいこ)

The Gaza Monologues 2023 at SUBTERRANEAN
2024.2.18
Text/アシュタールシアター ASHTAR THEATRE
翻訳・構成・演出/赤井康弘 AKAI Yasuhiro
出演/葉月結子 HADUKI Yuko 矢内文章(アトリエセンターフォワード) YANAI Bunshou(ATLIER CENTRE FORWARD)赤松由美(コニエレニ) AKAMATSU Yumi(koniereni)
照明/麗乃(あをともして) RENO(AWOTOMOSHITE)
After talk/早尾貴紀 HAYAO Takanori
企画・製作/赤井康弘 AKAI Yasuhiro
主催/SUBTERRANEAN

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2024年2月13日 (火)

「青い鳥」の動画の一部をYouTubeチャンネルにアップしました。

SUBTERRANEANのYouTubeチャンネルに、板橋ビューネ2023/2024参加作品 サイマル演劇団2都市ツアー「青い鳥」の動画の一部をアップしました。

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板橋ビューネ2023/2024参加作品 サイマル演劇団2都市ツアー「青い鳥」 場/サブテレニアン(東京公演)・シア・トリエ(福島公演)
原作/モーリス・メーテルリンク 構成・演出・美術/赤井康弘 出演/葉月結子・赤松由美(コニエレニ)・渡邊清楓・大美穂(イナホノウミ)
照明/麗乃(あをともして)[東京公演] ・麿由佳里[福島公演] 音響/豊川涼太(街の星座)[東京公演]・大信ペリカン[福島公演]  舞台監督/大山ドバト 宣伝美術/伊東祐輔(おしゃれ紳士)制作/さたけれいこ サイマル制作団 企画・製作/赤井康弘 主催/サイマル演劇団・サブテレニアン 会

2024年1月27日 (土)

劇団허리(HURY)「サド侯爵の演出のもとにシャラントン保護施設の演劇グループによって上演されたジャン・ポール・マラーの迫害と暗殺」(マラー/サド)

板橋ビューネ2023/2024参加作品
劇団허리(HURY)「サド侯爵の演出のもとにシャラントン保護施設の演劇グループによって上演されたジャン・ポール・マラーの迫害と暗殺」(マラー/サド)
2024年1月20日・21日 (@ サブテレニアン)
原作/ペーター・ヴァイス 翻案・演出/ユ・ジュンシク 作曲・舞台監督/ユ・ヒオ 舞台美術/ユ・ジュンシク メイク/イ・リン
配役:
ジャン・ポール・マラー/イ・キョンミン シャルロット・コルデー/ユ・ヒーリー ポルポシュ(バリトン)/ジュン・テジュン シモンヌ・エブラール/キム・ジキョン デュペレ/イ・テグワン ロッシニョール(ソプラノ)/キム・ヒジュン ジャック・ルー/キム・ハクジュ クールミエ/チョ・サンウ 看護尼/イ・インギュ
劇団허리(HURY):1990年創立。韓国・議政府を拠点に「チャンドン劇場」「アートスペース・フセオサ」を運営。韓国の断絶の克服、国家による暴力、自然を通した人生などの物語を中心に創作する韓国の劇団である。

上演の一部をYOUTUBEで配信しています。
허리「マラー/サド」 『あなたのための行進曲』

허리「マラー/サド」劇中歌 

허리「マラー/サド」劇中歌ラスト


<公演後のアフタートークより>
1月20日・21日 ユ・ジュンシク(劇団HURY)・赤井康弘(サブテレニアン)・桔川純子(通訳)

赤井:劇団HURYは、ソウルと議政府の二拠点に劇場を構え、活動していらっしゃいます。なぜそのような形態をとっていらっしゃるのですか?

ユ:韓国の文化芸術はソウルに集中しています。ソウルに足をおかないと、継続することは難しいです。議政府市は、DMZ、北朝鮮との国境に近いところにあります。韓国においては、南北の分断は大きな問題です。分断は国民に害を与えています。芸術家が被っている害もとても大きなものです。国家は北朝鮮の脅威を煽ってきますが、その脅威に騙されるな、という思いで演劇をしています。
 劇団名の「허리」「HURY」は韓国語で「腰」という意味です。議政府市は韓国の腰にあたります。南北の分断で韓国はいわば腰を切られた状態にあるといえますが、再生を願って活動をしています。
 再生をして、和合をしたい。家庭も、恋愛も、民族も、再び出会って和合をすることは大事なことです。
 そうした活動も、ソウルで公演してこそ運営ができています。私は、人に恵まれているので、ソウルでも活動ができています。


赤井:「マラー/サド」はフランス革命を背景にして全体主義のマラー、個人主義のサドという対立がありますが、ジュンシクさんはどちらの立場をとりたいと思っていらっしゃいますか?

ユ:私はサドを演じましたが、立場としてはマラーを支持しています。だから、演じる時に矛盾を感じましたね(笑)


赤井:劇中では、韓国の光州事件で歌われた民衆歌が歌われましたね。

ユ:今回の「マラー/サド」は韓国を舞台に翻案して、四つの次元があるといえます。一つは劇中劇の主題である、フランス革命でマラーが暗殺された事件の次元、そして、それをサド侯爵が劇として取り上げたという設定の15年後の次元、ペーター・ヴァイスが戯曲を書いた次元、そして舞台としてとりあげた韓国の次元です。ラストの場面ではナポレオンの肖像が掲げられましたが、それはユン・ソンニュル大統領
にも、岸田首相にも置き換え可能です。


赤井:韓国で上演した時はどのように受け止められましたか。

ユ:意義や意味が前面に出るものは面白くないです。最初は笑っていた観客も、だんだん何かに気付いていく、という私たちが望んでいた感想が返ってきました。


赤井:日本や世界でも共通するものはありますか?

ユ:あると思います。公演のために日本に来て、何日か過ごしてみて、日本はとても平和的な感じがしました。一緒に来た仲間とも「静かでいいね」と話していました。昔は国家が目に見える形で民衆を弾圧していましたが、いまは、メディアや教育を使って支配しています。「静かでいい」ということではなく、支配されているということではないでしょうか。教育は本当に重要です。

ーーー観客よりーーーー

質問:「マラー/サド」は映画では見たことがあるのですが、演劇の上演を見たのははじめてです。(「マラー/サド」1967年、ピーター・ブルック監督)韓国では上演されているのですか?

ユ:国家が個人に与える影響は本当に大きいです。とくに韓国でも去年から国家の圧力がとても大きくなっています。こんな時にこのような芝居を打つ意義は大きいと思っています。

質問:劇の最後でジャック・ルー(元神父・社会主義者)が叫んでいた言葉を教えてください

ユ:「あなたは何をみたのか あなたはいつ見るのか」という言葉です。ペーター・ヴァイスの意図があらわれている言葉だと思います。

質問:精神病院が舞台でしたが、患者役の役者さんそれぞれには、韓国の現代社会を想定した背景があるのでしょうか。

ユ:はい。それぞれの役に設定があります。俳優たちは、それぞれ役の設定を理解して演技しています。

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公演を通じて、交流を深めたいというお互いの願いが合致して今回の公演が実現しました。今後も交流を続けたいと切に願っています。
(サブテレニアン さたけ)



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2023年10月29日 (日)

パフォーマンス・アート ワークショップ PERFORMANCE ART WORKSHOP

2023年10月15日
パフォーマンス・アート ワークショップが行われました。

講師は国内外のパフォーマンス・アートフェスティバル等で活躍する広瀬真咲さん。

現役のパフォーマンス・アーティストが受講し、最後のショーイングでは各々の個性が光り見ごたえがありました。

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・実践
I.一人5~10分程度の時間で、簡単な行動。外の公園等でも行った。

Ⅱ.ショーイングタイム:最後に一人10~15分程度の持ち時間でパフォーマンスのショーイング。

・レクチャー
I.パフォーマンス・アートとは何か?
現代美術の一つであるパフォーマンス・アートが、どのような文脈の中から登場したのかを分かりやすく講義。

Ⅱ.パフォーマンス・アートの紹介
パフォーマンス・アートは日本を含む世界各地で行われている。
講師所蔵の貴重な資料、映像の中から、世界・日本のアーティストのパフォーマンスを紹介。

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講師
広瀬真咲 Masaki Hirose
絵を描いていたが、美大時代に即興性と自由度の高いパフォーマンス・アートに目覚め、卒業後、国内外のパフォーマンス・アートフェスティバル等に出演。2012年よりソロ活動開始。2013年より絵画制作を再開。生態学と称し個展を開催。

 

2023年6月15日 (木)

avenir’e(アヴェニール)『大人の付き合い』/『紙風船』 稽古場レポートその3

本日は稽古場最終稽古。

昨日のフィードバックを受けて、返し稽古をした方が良いであろう個所を数か所返す。それ により明確に面白くなったり劇的になったシーンを共有しながら通し稽古へ。


返し稽古をしたことの効果としてはもちろん良かったが、俳優が返し稽古の成果を求めに いった結果、思考が働いてしまい、本来必要であろう熱量が生まれなかったところもあった。 それは俳優からのフィードバックでもやはりそういう事が起きていたようだ。


そういう思考がなぜ良くない状態を作ってしまうのか。

そういう自分のパフォーマンスの成果を意識している時、ほとんどの場合相手役とのつな がりが切れている。本来役は、相手役とつながっているつながっていたいという意志がある から会話をするのであって、それが切れることによって積みあがるべき空気が一旦リセッ トされてしまう。すると俳優は自分がセリフを語る目的を見失ったりその動機が薄くなっ てしまう。結果としてさらに何とかしようと思考してしまい負のループが生まれる。 もちろん俳優もそんな状態を望むわけはないのだが、目の前の瞬間に対する集中を欠いて しまうと陥ってしまうところでもある。


今日、特に『大人の付き合い』ではその対策のために先ず身体が反応するということをシェ アした。相手のそのセリフその言葉を聞いた時に起きる身体の反応。目の前のことに集中し ていれば起きる身体の反応。その時重心は後ろに下がるのか、前のめりになるのか、あるい はのけぞるのか。それらを明確にすることで先のことを意識せずとも身体が空気や熱量を 積み上げてくれる。そのことをシェアした。


劇場に入ってからまだ時間はあるけれども、稽古場での稽古が最終日という焦りも影響し ていたのだろうと思う。まだまだ伸びしろを感じているし、戯曲の面白さを引き出しきれて いない不安などもあるのだろう。ちょっとしたタイミングでこういう事も起きてしまうと いう稽古の難しさも感じた。

しかし作品や俳優のパフォーマンス自体は上がってきているので楽しみの方が大きい。


明日から劇場です。稽古場レポートお読みいただきありがとうございました。

お気に留めていただけたらぜひご観劇いただけたら嬉しいです。

 

avenir’e(アヴェニール)2nd create

『大人の付き合い』/『紙風船』

6/17(土)~7/4(火)

@新宿眼科画廊 地下
【公演 HP】
https://avenire.cloud/next/


大原研二

2023年6月14日 (水)

avenir’e(アヴェニール)『大人の付き合い』/『紙風船』 稽古場レポートその2

本日は通し稽古中心。
前回稽古以降、両作品共に「劇的」な瞬間がテーマになっている。

すでに役に必要な「価値観」や「目的」は皆が持ち得ているので、それを日常の範囲内、自分がコントロールできる範囲内で収めなくてもいいんだということ、結果として日常の枠を超えて溢れてしまってもいいんだという事をシェアした上で通しに向かう。


結果、多くの挑戦がある良い通しだった。

『大人の付き合い』では二人が恐れずに目の前の反応で動くということを積極的に起こしていたことで見えた面白さと課題が明確になった。

二人が丁寧に相手を感じ合いその場に存在しているということの安定感は確実に頼りにしていいものだし、より役が育つためのすべての要素は俳優の中にあることもわかったし、言葉にもきちんと「意味」が通っている。

だからこそ相手の言葉によって何が引き起こされるのか明確にすべき点がはっきりした。 例えば「子供」という言葉に背筋がヒヤッとさせられるとか、どうしたって引き起こされてしまう反応を増やしていくことが、「劇的」を起こすための鍵になるだろう。 『紙風船』では前半の嚙み合わなさはあったものの、課題であった「劇的」さが立ち上がる 瞬間を見せてくれた。噛み合わなさに関しては俳優とのフィードバックで見ていた感覚とほぼ同じ感触だったようなので全く問題なし。

むしろ起きてしまった「劇的」さが素晴らしかった。妻に本音を語りながらそれによって感じるふがいなさに涙してしまい、妻の側から夫の手を取るという今までになかったことが起きた。

確実によりふり幅の大きい『紙風船』になるであろうことが感じられた瞬間だった。


通し前にシェアしたこと。「人の価値観が変わる瞬間」にあるドラマ、それが日常でなかな か見ることのない「劇的」さを放つことを恐れないこと。なぜならこれは演劇なのだから。 今日起きたことは間違いなく「劇的」だし、演劇だった。

2023年6月13日 (火)

avenir’e(アヴェニール)『大人の付き合い』/『紙風船』 稽古場レポートその1

本日は「オープン稽古参加&見学会(ワークインプログレス)」稽古。 稽古場にお客さん側の方々にお越しいただいて、フィードバックやお客さんの存在の作品 への影響を頂きながらより劇空間を豊かにしていくための試みでした。


というのも今回の公演には「応援上演」という回を設けていて、お客さんが目の前で上演し ている役に対して、「応援」や「ツッコミ」などリアクションをすることができる上演があ るのでそのために稽古におけるお客さんの存在が大変に大きいのです。 事前にお配りした紙風船を手に、お客さんが目の前の役に対して紙風船を振ったり、膨らま せて舞台上に投げ入れたり、時には拍手などでたくさんリアクションを取っていただけた おかげで、俳優もその影響を役の言葉に乗せていく感覚を得ていたし何より体感したこと のないような上演空間になっていく手ごたえを感じることができました。


勿論通常の上演でも劇が進行するにつれて客席が熱を帯びてきたり、「笑い」という明確な リアクションが上演空間に影響しているわけですが、ここまでそれぞれのお客さんのリア クションが可視化される上演は中々ないと思います。


演劇創作をしていると「第四の壁」と言われるような客席と舞台上との間にある壁のような 存在の扱いについて考えるようになることがありますが、今回の公演はその「壁」の存在が 実は作品にとても意味のあるもので、現代劇である『大人の付き合い』ではまるで自分事の ように感じる瞬間が起きることで、古典である『紙風船』では100年近く昔の作品である のに現代にも通ずる普遍性を感じることで生まれる「壁」越えていくような感覚を体感でき る公演を目指して創作しています。


もちろんそうすることで俳優には通常以上に不確定要素を抱えながら役を演じていくこと になるので、そのための不安の解消や準備などたくさんのことを稽古の中で俳優と積み重 ねてきました。 明日以降は通し稽古を重ねつつ、俳優がより役としてその場に「居る」ために腑に落として いく稽古の結果をレポートしたいと思います。


大原研二

2023年6月12日 (月)

ことのはbox「独りの国のアリス」稽古場レポートその7

6月11日(日)

担当:演出 酒井菜月

集中稽古7日目。最終日。

役者に大分疲れが溜まってきたような雰囲気だったため、アップがてらにシアターゲームを行なった。
まず、名前鬼。これは視野を広げることを目的とするゲーム。舞台上でも視野の広さは非常に大事なことである。
やはり、周りを見ることが苦手だなと思っていた役者から脱落していくので面白い。
次に空間を埋めるために歩く。これは全員で歩きながらも常に空間を埋めつづけなければならない。これもまた「舞台」という空間を広い視野で見るためにとても大事なことである。

その後、通しながら気になった箇所は止めて返していく。
ここまで来たらもう微調整だ。

この作品は戯曲上10人が同じ方向を向いていないとできない。チームワークが大事なことは一つの作品を作るうえで当然なことだが、今回はいつも以上にその必要性を感じる。
実際、稽古をするにつれて、役者同士に信頼関係が築かれていくのと同時に芝居もみるみる良くなっていった。

最後の調整を終え、カーテンコールの演出をつけ、そして『独りの国のアリス』の稽古は終わった。

いよいよ明日から劇場に入る。
音響、照明、舞台、そしてお客様が加わり…
今からとても楽しみだ。

2023年6月11日 (日)

ことのはbox「独りの国のアリス」稽古場レポートその6

6月10日(土)

担当:演出 酒井菜月

集中稽古6日目。

今日は1日シーン稽古。
物足りないところを徹底的に100本ノック。
主に台詞の頭が流れてしまったり、長台詞の途中からエネルギーが弱くなったりといった部分を反復して身体に染み込ませる。

この芝居のマイルドさは世代によるものなのだろうか。出来ていないとは言わない。お客様に観せていいレベルのものだと思う。
が、まだ何かビビットなものが足りない。それをこの世代に伝えたところで伝わるものなのだろうか。
幸いにも私は幼少期から演劇に触れてきたため、歳は彼らとそれほど離れてはいないがその感覚、その芝居の空気感を知っている。
『独りの国のアリス』が書かれたのは1995年。いわゆる「演劇」が盛んだった時代である。その頃若手だった世代が逆班アダルトチームに集まる。
こちらのヤングチームは平均年齢30歳を下回る。下手したらその時代に生まれてすらいない。
『独りの国のアリス』のビビットな、もっとトゲトゲした、スパイスのようなものがまだまだ加えられそうな気がしている。
作品が出来てきたからこその私の欲の部分をもっともっとこうしたい、と役者達に求めているこの時が演出として何よりの幸せである。

昨日、最後の通しを経て、役者一人一人に感想を聞いてみると役者自身もここに来ての気付きが多くあったようで、これはまだまだ追求していけると思った。
若い世代の良い所は、経験が浅い分、吸収する力が未知数なこと。それを実感する毎日である。

明日、稽古最終日。
最後まで細かいところまてこだわって追求し続けたい。

2023年6月10日 (土)

ことのはbox「独りの国のアリス」稽古場レポートその5

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担当:演出 酒井菜月

 

集中稽古5日目

本日は昨日の通し稽古のダメ出しの残りをしてからこれまでの通し稽古の中で気になったシーンを小返しからのシーン稽古。
休憩後、制作、音響スタッフを招いての通し稽古。その後ダメ出し。

ダメ出しの残しでは、前日に伝えきれなかった事を伝えた。本来ダメ出しはその日中に伝えた方が良いと思うが、この芝居ではこなすタスクがとても多い。

なので1日置いて伝えてみると役者自身も演出自身も身体と心の整理がついて理解度が上がる気がする。

小返しではアリスの誕生日のシーンを返した。
物語で最初に肝となるシーンであり、大人数で
こなす最初のシーンである。所作がどうしても甘くなる箇所あるので流れの中で詰め直す。

ここのシーンが最初綺麗に決まるとその後の流れの見えが良くなるので最後まで詰めていく。
台詞の方向、強弱もぶれてくる事もあるので役者各々が担うべき物を出していくように精度を高めるようにしたい。

その後シーン稽古では冒頭のアリス達3人のシーンを稽古した。冒頭のシーンだけあってその場面出来次第で方向性が決まるので慎重に詰めていった。

言葉遣い、見える角度一つでも違うと見せたい絵がかなり変わるのでまだ本番まで時間はあるので理想を求めていきたい。

休憩後、集中稽古で行う最後の通し稽古を行った。
観た感想は、本日最初にダメ出しをしたおかげなのか整理出来ている通し稽古だと感じた。求めている物が全部出来ているとは感じ難いが理想に着々と進んでいる。

しかし芝居の出来としては良くはなかった。各々出来ている箇所は増えてきているが、逆に考え過ぎてこねくり回している箇所も増えてきていた。

この芝居はタスクが多い為大変だが、だからこそしっかりと整理して演じて欲しい。

ダメ出しでは各シーンの整理をつけてもらうよう伝え残りの日数でどこまで精度を高める事が出来るか演出自身も理解度をあげ、

お客様にどう伝えたいかを考え実行してもらうように務める事を明日への課題としたい。

 

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