2023年10月29日 (日)

パフォーマンス・アート ワークショップ PERFORMANCE ART WORKSHOP

2023年10月15日
パフォーマンス・アート ワークショップが行われました。

講師は国内外のパフォーマンス・アートフェスティバル等で活躍する広瀬真咲さん。

現役のパフォーマンス・アーティストが受講し、最後のショーイングでは各々の個性が光り見ごたえがありました。

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・実践
I.一人5~10分程度の時間で、簡単な行動。外の公園等でも行った。

Ⅱ.ショーイングタイム:最後に一人10~15分程度の持ち時間でパフォーマンスのショーイング。

・レクチャー
I.パフォーマンス・アートとは何か?
現代美術の一つであるパフォーマンス・アートが、どのような文脈の中から登場したのかを分かりやすく講義。

Ⅱ.パフォーマンス・アートの紹介
パフォーマンス・アートは日本を含む世界各地で行われている。
講師所蔵の貴重な資料、映像の中から、世界・日本のアーティストのパフォーマンスを紹介。

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講師
広瀬真咲 Masaki Hirose
絵を描いていたが、美大時代に即興性と自由度の高いパフォーマンス・アートに目覚め、卒業後、国内外のパフォーマンス・アートフェスティバル等に出演。2012年よりソロ活動開始。2013年より絵画制作を再開。生態学と称し個展を開催。

 

2023年6月15日 (木)

avenir’e(アヴェニール)『大人の付き合い』/『紙風船』 稽古場レポートその3

本日は稽古場最終稽古。

昨日のフィードバックを受けて、返し稽古をした方が良いであろう個所を数か所返す。それ により明確に面白くなったり劇的になったシーンを共有しながら通し稽古へ。


返し稽古をしたことの効果としてはもちろん良かったが、俳優が返し稽古の成果を求めに いった結果、思考が働いてしまい、本来必要であろう熱量が生まれなかったところもあった。 それは俳優からのフィードバックでもやはりそういう事が起きていたようだ。


そういう思考がなぜ良くない状態を作ってしまうのか。

そういう自分のパフォーマンスの成果を意識している時、ほとんどの場合相手役とのつな がりが切れている。本来役は、相手役とつながっているつながっていたいという意志がある から会話をするのであって、それが切れることによって積みあがるべき空気が一旦リセッ トされてしまう。すると俳優は自分がセリフを語る目的を見失ったりその動機が薄くなっ てしまう。結果としてさらに何とかしようと思考してしまい負のループが生まれる。 もちろん俳優もそんな状態を望むわけはないのだが、目の前の瞬間に対する集中を欠いて しまうと陥ってしまうところでもある。


今日、特に『大人の付き合い』ではその対策のために先ず身体が反応するということをシェ アした。相手のそのセリフその言葉を聞いた時に起きる身体の反応。目の前のことに集中し ていれば起きる身体の反応。その時重心は後ろに下がるのか、前のめりになるのか、あるい はのけぞるのか。それらを明確にすることで先のことを意識せずとも身体が空気や熱量を 積み上げてくれる。そのことをシェアした。


劇場に入ってからまだ時間はあるけれども、稽古場での稽古が最終日という焦りも影響し ていたのだろうと思う。まだまだ伸びしろを感じているし、戯曲の面白さを引き出しきれて いない不安などもあるのだろう。ちょっとしたタイミングでこういう事も起きてしまうと いう稽古の難しさも感じた。

しかし作品や俳優のパフォーマンス自体は上がってきているので楽しみの方が大きい。


明日から劇場です。稽古場レポートお読みいただきありがとうございました。

お気に留めていただけたらぜひご観劇いただけたら嬉しいです。

 

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『大人の付き合い』/『紙風船』

6/17(土)~7/4(火)

@新宿眼科画廊 地下
【公演 HP】
https://avenire.cloud/next/


大原研二

2023年6月14日 (水)

avenir’e(アヴェニール)『大人の付き合い』/『紙風船』 稽古場レポートその2

本日は通し稽古中心。
前回稽古以降、両作品共に「劇的」な瞬間がテーマになっている。

すでに役に必要な「価値観」や「目的」は皆が持ち得ているので、それを日常の範囲内、自分がコントロールできる範囲内で収めなくてもいいんだということ、結果として日常の枠を超えて溢れてしまってもいいんだという事をシェアした上で通しに向かう。


結果、多くの挑戦がある良い通しだった。

『大人の付き合い』では二人が恐れずに目の前の反応で動くということを積極的に起こしていたことで見えた面白さと課題が明確になった。

二人が丁寧に相手を感じ合いその場に存在しているということの安定感は確実に頼りにしていいものだし、より役が育つためのすべての要素は俳優の中にあることもわかったし、言葉にもきちんと「意味」が通っている。

だからこそ相手の言葉によって何が引き起こされるのか明確にすべき点がはっきりした。 例えば「子供」という言葉に背筋がヒヤッとさせられるとか、どうしたって引き起こされてしまう反応を増やしていくことが、「劇的」を起こすための鍵になるだろう。 『紙風船』では前半の嚙み合わなさはあったものの、課題であった「劇的」さが立ち上がる 瞬間を見せてくれた。噛み合わなさに関しては俳優とのフィードバックで見ていた感覚とほぼ同じ感触だったようなので全く問題なし。

むしろ起きてしまった「劇的」さが素晴らしかった。妻に本音を語りながらそれによって感じるふがいなさに涙してしまい、妻の側から夫の手を取るという今までになかったことが起きた。

確実によりふり幅の大きい『紙風船』になるであろうことが感じられた瞬間だった。


通し前にシェアしたこと。「人の価値観が変わる瞬間」にあるドラマ、それが日常でなかな か見ることのない「劇的」さを放つことを恐れないこと。なぜならこれは演劇なのだから。 今日起きたことは間違いなく「劇的」だし、演劇だった。

2023年6月13日 (火)

avenir’e(アヴェニール)『大人の付き合い』/『紙風船』 稽古場レポートその1

本日は「オープン稽古参加&見学会(ワークインプログレス)」稽古。 稽古場にお客さん側の方々にお越しいただいて、フィードバックやお客さんの存在の作品 への影響を頂きながらより劇空間を豊かにしていくための試みでした。


というのも今回の公演には「応援上演」という回を設けていて、お客さんが目の前で上演し ている役に対して、「応援」や「ツッコミ」などリアクションをすることができる上演があ るのでそのために稽古におけるお客さんの存在が大変に大きいのです。 事前にお配りした紙風船を手に、お客さんが目の前の役に対して紙風船を振ったり、膨らま せて舞台上に投げ入れたり、時には拍手などでたくさんリアクションを取っていただけた おかげで、俳優もその影響を役の言葉に乗せていく感覚を得ていたし何より体感したこと のないような上演空間になっていく手ごたえを感じることができました。


勿論通常の上演でも劇が進行するにつれて客席が熱を帯びてきたり、「笑い」という明確な リアクションが上演空間に影響しているわけですが、ここまでそれぞれのお客さんのリア クションが可視化される上演は中々ないと思います。


演劇創作をしていると「第四の壁」と言われるような客席と舞台上との間にある壁のような 存在の扱いについて考えるようになることがありますが、今回の公演はその「壁」の存在が 実は作品にとても意味のあるもので、現代劇である『大人の付き合い』ではまるで自分事の ように感じる瞬間が起きることで、古典である『紙風船』では100年近く昔の作品である のに現代にも通ずる普遍性を感じることで生まれる「壁」越えていくような感覚を体感でき る公演を目指して創作しています。


もちろんそうすることで俳優には通常以上に不確定要素を抱えながら役を演じていくこと になるので、そのための不安の解消や準備などたくさんのことを稽古の中で俳優と積み重 ねてきました。 明日以降は通し稽古を重ねつつ、俳優がより役としてその場に「居る」ために腑に落として いく稽古の結果をレポートしたいと思います。


大原研二

2023年6月12日 (月)

ことのはbox「独りの国のアリス」稽古場レポートその7

6月11日(日)

担当:演出 酒井菜月

集中稽古7日目。最終日。

役者に大分疲れが溜まってきたような雰囲気だったため、アップがてらにシアターゲームを行なった。
まず、名前鬼。これは視野を広げることを目的とするゲーム。舞台上でも視野の広さは非常に大事なことである。
やはり、周りを見ることが苦手だなと思っていた役者から脱落していくので面白い。
次に空間を埋めるために歩く。これは全員で歩きながらも常に空間を埋めつづけなければならない。これもまた「舞台」という空間を広い視野で見るためにとても大事なことである。

その後、通しながら気になった箇所は止めて返していく。
ここまで来たらもう微調整だ。

この作品は戯曲上10人が同じ方向を向いていないとできない。チームワークが大事なことは一つの作品を作るうえで当然なことだが、今回はいつも以上にその必要性を感じる。
実際、稽古をするにつれて、役者同士に信頼関係が築かれていくのと同時に芝居もみるみる良くなっていった。

最後の調整を終え、カーテンコールの演出をつけ、そして『独りの国のアリス』の稽古は終わった。

いよいよ明日から劇場に入る。
音響、照明、舞台、そしてお客様が加わり…
今からとても楽しみだ。

2023年6月11日 (日)

ことのはbox「独りの国のアリス」稽古場レポートその6

6月10日(土)

担当:演出 酒井菜月

集中稽古6日目。

今日は1日シーン稽古。
物足りないところを徹底的に100本ノック。
主に台詞の頭が流れてしまったり、長台詞の途中からエネルギーが弱くなったりといった部分を反復して身体に染み込ませる。

この芝居のマイルドさは世代によるものなのだろうか。出来ていないとは言わない。お客様に観せていいレベルのものだと思う。
が、まだ何かビビットなものが足りない。それをこの世代に伝えたところで伝わるものなのだろうか。
幸いにも私は幼少期から演劇に触れてきたため、歳は彼らとそれほど離れてはいないがその感覚、その芝居の空気感を知っている。
『独りの国のアリス』が書かれたのは1995年。いわゆる「演劇」が盛んだった時代である。その頃若手だった世代が逆班アダルトチームに集まる。
こちらのヤングチームは平均年齢30歳を下回る。下手したらその時代に生まれてすらいない。
『独りの国のアリス』のビビットな、もっとトゲトゲした、スパイスのようなものがまだまだ加えられそうな気がしている。
作品が出来てきたからこその私の欲の部分をもっともっとこうしたい、と役者達に求めているこの時が演出として何よりの幸せである。

昨日、最後の通しを経て、役者一人一人に感想を聞いてみると役者自身もここに来ての気付きが多くあったようで、これはまだまだ追求していけると思った。
若い世代の良い所は、経験が浅い分、吸収する力が未知数なこと。それを実感する毎日である。

明日、稽古最終日。
最後まで細かいところまてこだわって追求し続けたい。

2023年6月10日 (土)

ことのはbox「独りの国のアリス」稽古場レポートその5

6月9()

 

担当:演出 酒井菜月

 

集中稽古5日目

本日は昨日の通し稽古のダメ出しの残りをしてからこれまでの通し稽古の中で気になったシーンを小返しからのシーン稽古。
休憩後、制作、音響スタッフを招いての通し稽古。その後ダメ出し。

ダメ出しの残しでは、前日に伝えきれなかった事を伝えた。本来ダメ出しはその日中に伝えた方が良いと思うが、この芝居ではこなすタスクがとても多い。

なので1日置いて伝えてみると役者自身も演出自身も身体と心の整理がついて理解度が上がる気がする。

小返しではアリスの誕生日のシーンを返した。
物語で最初に肝となるシーンであり、大人数で
こなす最初のシーンである。所作がどうしても甘くなる箇所あるので流れの中で詰め直す。

ここのシーンが最初綺麗に決まるとその後の流れの見えが良くなるので最後まで詰めていく。
台詞の方向、強弱もぶれてくる事もあるので役者各々が担うべき物を出していくように精度を高めるようにしたい。

その後シーン稽古では冒頭のアリス達3人のシーンを稽古した。冒頭のシーンだけあってその場面出来次第で方向性が決まるので慎重に詰めていった。

言葉遣い、見える角度一つでも違うと見せたい絵がかなり変わるのでまだ本番まで時間はあるので理想を求めていきたい。

休憩後、集中稽古で行う最後の通し稽古を行った。
観た感想は、本日最初にダメ出しをしたおかげなのか整理出来ている通し稽古だと感じた。求めている物が全部出来ているとは感じ難いが理想に着々と進んでいる。

しかし芝居の出来としては良くはなかった。各々出来ている箇所は増えてきているが、逆に考え過ぎてこねくり回している箇所も増えてきていた。

この芝居はタスクが多い為大変だが、だからこそしっかりと整理して演じて欲しい。

ダメ出しでは各シーンの整理をつけてもらうよう伝え残りの日数でどこまで精度を高める事が出来るか演出自身も理解度をあげ、

お客様にどう伝えたいかを考え実行してもらうように務める事を明日への課題としたい。

 

2023年6月 9日 (金)

ことのはbox「独りの国のアリス」稽古場レポートその4

6月8日(木)

 

担当:演出 酒井菜月

 

集中稽古4日目
まずシーン稽古物語の終盤の大事なシーンの稽古。
その後、舞台監督、照明スタッフを招いての通し稽古。
ダメ出しをしてから休憩を挟んで衣装を付けての2回目の通し稽古。その後ダメ出しをしてから解散。

 

シーン稽古では物語の最後を彩る誕生日ケーキの火周りの稽古を行った。
このレポートにも再三書いてはいるが、実際に行うと難しい動き程スムーズにコンパクトにこなせると見目が美しくなるので動線を確認しつつも確実にこなせる様に繰り返し稽古した。
動きに集中すると、台詞が飛ばなくなる事が見えるのでその辺りは気を付けてもらいたい。
動きと台詞が綺麗に合わさって初めて美しい芝居となる。

 

その後物語の中でアリスが歳を取っていく様を稽古した。
前提としてアリスが歳を取っているのだが、アリスだけが動くのではない。そこを念頭に置いて稽古した。
そのシーンの意味を座組みがしっかりと解釈しアリスをいかに動かす事に協力し注視出来ているかが肝となっている。
このシーンの出来で話の締まり方が変わると言っても過言ではないので役者には頑張ってもらいたい。

 

小休憩を取った後、本日最初の通し稽古。
観た感想としては悪くない。お客様に出せるラインには来ていると感じた。
だが、この出来を最低ラインに持っていきたい。座組み全体の目指している方向が今までの通し稽古の中で1番明確だっただけにもっと上の出来が見えそうでもどかしい。
ダメ出しでは役者に今の通し稽古の感覚をベースに持ってくる様に伝えた。
再現性を重視し、確実性を持たせる為だ。再現性を持つ事が出来れば芝居の精度も安定するし余裕もできる。

 

1時間の休憩後座組全員で出来る最後の通し稽古を衣装付きで行った。
これまでの通し稽古では衣装を付けるかは役者に委ねていた為上手くいかない所もあるだろうと思いながらの通し稽古となった。
観た感想は言葉にすると難しいが敢えて言語化しようとすると気持ちが悪かった。
テンポも悪い訳ではないが衣装を付けたからなのか、それとも最後の通し稽古として空回りしたからなのかわからないが、ずっと微妙に気持ちが悪かった。
理由は明白だ。なまじ先程の通し稽古が良かった為に再現性を持たせようとした為に再現と云うよりもトレースに近い動きが多かった。要求する物は高いと思うが、それがより良い芝居に繋がるので課題としたい。
役者にも出来るだけ言語化して伝えたが、最終的にこの感覚は各々感じてもらうしかないので本番までに掴んで頂きたい。

 

明日からはひたすら小返しをして各シーンの精度を高めていく予定だ。後1週間で初日を迎えるが座組のモチベーションはとても高い。
そんな彼らに期待して明日の稽古に臨もうと思う。

2023年6月 8日 (木)

ことのはbox「独りの国のアリス」稽古場レポートその3

67()

担当:演出 酒井菜月

集中稽古3日目。
最初に昨日通しの後に行った小返しの残りと一夜経って昨日の通しの際に感じた差異を埋めるためのシーン稽古を行った。
その後昨日出来なかった水物周りの確認と対策を行い、休憩後集中稽古2回目の通し稽古。
その後ダメ出し。

小返しでは昨日同様転換周りの時間を出来るだけコンパクトに詰めていった。
役者全員が舞台上にいる芝居の為役者達も動き辛い部分も有るだろうが美しく見せる事が出来ればそれが自然と時間を削る事に繋がるので再三確認して身体に馴染ませるために動線を確認した。
本番まで理想高く詰めていきたい。

シーン稽古では昨日のダメ出しで役者に伝えた「伝える事」の方向性の重要さを確認しつつもテンポ感の早いこの『独りの国のアリス』に乗せる台詞を更に無駄を削ぎ落とす為にスピードランを行った。
全てを二倍にするこの稽古で役者本人達にも本当に必要な要素を見出してもらい、この後に行う通し稽古に活かしてもらう為に行うと共に演出として彼らに必要な要素を抜き出す稽古としてとても効果的だったと思う。

水物周りの確認では物語の肝となるシーンが多く含まれる為、より慎重に確認した。
スタジオでおぼつかなくなる物は実際には出来ないので想定よりも時間を掛けてより丁寧に稽古をした。
これは数を重ねないと出来ない部分もあるので毎回確認していきたいと思う。

休憩を取った後集中稽古2回目の通し稽古。
観た感想として、先程返した稽古部分やスピードランで削ぎ落とした部分が伝えようとしてくるのはとても伝わってきた。
私が目指す作品にどんどん近づいてきてはいると思う。
勿論色々足りない部分や昨日できた事がおざなりになっている部分も見受けられたので役者にもその部分を伝えながら担うべきポイントを明確にしてより精度が高く正確な舞台を創り上げたいと思う。
明日はテンポ感の意思の疎通の正確さを纏め上げることを課題として、明日の稽古へ挑みたい。

2023年6月 7日 (水)

ことのはbox「独りの国のアリス」稽古場レポートその2

6月6()

 

担当:演出 酒井菜月

 

集中稽古2日目。

まず昨日残こった最後シーンの暗転での転換を確認。
実際にスタジオに入って小道具が入るとやはり今までの稽古で気付かなかったことが見えてくる。

その後、音響、照明スタッフを招いての通し稽古。
休憩を挟んで18:00〜ダメ出し後小返し。

土日、そして昨日と明けて4日振りの通し。
ついたばかりの転換や小道具の捌きを確認しながらの通しとなったが、観た感想として、私が目指す作品の空気感が出来上がってきた。

台詞のエネルギーが足りない箇所や滑舌の甘い箇所がありつつも、役者それぞれが担わなければならないものをそれぞれが理解し、舞台上の次々変わっていく空気はよかったと思う。

この空気感を忘れず大事に持ったまま細かい芝居の精度をあげることをこれからの課題としたい。

小返しでは、通し中にごちゃっとなってしまった転換を再確認し、コンパクトにできる部分を改めてまとめた。

今回『独りの国のアリス』に登場する役者は10人。ほぼ全員がほぼ舞台上にいるため、コンパクトにできる部分を見つけ、美しい動線を描く転換を目指したい。
シーン稽古では、通しで気になったセリフのエネルギーを中心に返した。「言葉」には、見えないけれど確かに矢印がある。

「声を出すこと」をただ「声を出すこと」にしない。声を発散しない。大声を出せばみんなに言っているとは限らない。

もちろんこれは基礎中の基礎だが、そういった基礎の部分をテンポ感が早いこの芝居でひとつひとつ確実に狙っていかなければこの作品の面白さが半減してしまう。

空き時間、おそらく最も難関である最後の全員のシーンを自主的に反復練習している彼らに期待を込めて…
明日も稽古に挑みたい。

 

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